パットメセニーの曲をコピーしているのですが、ラインは分かるのですがコード進行が分かりません。
ラインからコード進行を導くにはどうすればよいのでしょうか?
拍アタマの音から推測していきます
パットメセニーがよく使うクロマチックを含んだリックを例にしてみます。
パット・メセニーのリック
リックの拍アタマの音を抜き出します。
パット・メセニーのリック拍アタマ
1小節目はAmトライアドの5th-♭3rd-R、2〜3小節目はEb7の3rd-R-♭7thを想定していると推測できます。
パット・メセニーのリック分析1
Am、Eb7コード上で弾いてみましょう。
Eb7の裏コードA7でも弾いてみましょう。
拍アタマの音の見方を変えれば別のコードを想定することもできます。
パット・メセニーのリック分析2
1、2小節目の1拍目をルートとすると、Em7(b13)、Gm7(b5,b13)を想定できます。
このようにラインの各拍アタマからコード進行を導きだすことができます。
ただしこれはあくまで推測です。
正確なコード進行を導きだすにはベースとコンピングパートのコピーが必要になります。
ベースが分かればより正確に推測できます
上記はあくまでラインからのみの推測でしたが、ベースラインが分かればより正確にコードをつけることができます。
ベースライン
1小節目はEmトライアド、2〜3小節目はAです。ラインからの推測と合わせてEm-A7コードを想定することができます。
ピアノのコードをコピーすれば正確なコード進行が分かります
ラインからの推測とベースラインを組み合わせればほぼコード進行を再現できますが、コンピング楽器があればそれをコピーすることで正確なコード進行が分かります。
今回のパットメセニーリックではバックでピアノがコンピングしています。
ピアノのコンピング
1小節目がEm7、2小節目がA9sus4、3小節目がAです。このコード進行上でリックを弾いてみましょう。
原曲通りのコード進行が分かるとリックの分析も変わってきます。
1小節目:2拍目ウラの3弦4フレットにディレイドアタック。3拍目は次のAを先取りしたフレージング。
2小節目:1拍目ウラの2弦10フレットにディレイドアタック。2拍目から3拍目ウラの3弦7フレットに向けれクロマチックで下降するフレージング。
想定している拍アタマを抜き出すと次のようになります。
正確なコード進行が分かればパットメセニー がどのように考えてフレージングしているかも的確に分析することができます。
- ラインの各拍アタマの音を抜き出して、何のコードを想定しているかを推測する
- ベースラインからコードのルートを見つける
- コンピングからコードの機能を見つける
ラインからのみコード進行を推測する方法は自由に解釈できるので、コピーしたラインを自分なりに活用したいときにおすすめです。
ベースラインとコンピングから正確なコード進行を導く方法は、そのアーティストの方法論を正確に分析したいときにおすすめです。
どちらの方法も試してコード進行の導きを楽しんでみてください。
パットメセニーの曲限定ですが
パットメセニー本人が監修したパットメセニーソングブックが市販されているので、ベースやコンピングをコピーしなくてもコード進行が分かります。
パットメセニーの曲をコピーするときは活用してみてください。
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