ジェリー・バーガンジーの教則本(vol.3)のTUNE10のコード進行で、
Bmaj7/Ab7/Dbmaj7/Bb7に対してD#m7/Fm7/Fm7/C7(b13)
を代理コードとして想定するという内容があります。
この中で2小節目のAb7に対して何故Fm7フリジアンを想定できるのか理解できません。
フリジアンはもっぱらトニックの代理と認識しておりましたが、ご教示いただけるとありがたいです。
代理コードではなく音で考えます
コードネームが書いてあるので混乱するかもしれませんが、ここでのコンセプトはあくまでスケールです。
そのためAb7に対してFm7を想定しているのではなく、Fフリジアンビバップスケールの音が使えると考えます。
Fフリジアンビバップスケール
FフリジアンビバップスケールをAb7コードで使うと次の音になります。
Ab7で使うFフリジアンビバップスケール
拍アタマの音を抜き出すと次のようになります。
Ab7で使うFフリジアンビバップスケールの拍アタマの音
Ab7でFフリジアンビバップスケールを使うと13thを強調するサウンドになります。
言いかえると、Ab7コード上で13thのサウンドを強調したいときにFフリジアンビバップスケールが使える、となります。
ドミナントコードで使えるビバップスケールの見つけ方
今回のようにオルタードテンションを含まないビバップスケールは、ダイアトニック内から見つけることができます。
Ab7はキーDbメジャーのV7。まずはDbメジャーキーの各ビバップスケールを確認します。音符の下に書いた度数はAb7で使った場合です。
Dbメジャービバップスケール
Ebドリアンビバップスケール
Fフリジアンビバップスケール
Gbリディアンビバップスケール
Bbエオリアンビバップスケール
Cロクリアンビバップスケール
この中から拍アタマがAb7のコードトーンまたはテンション(11thを除く)になっているビバップスケールを探します。11thを含むと7sus4のサウンドになるのでここでは除外します。
該当するビバップスケールは次の2つ
- Fフリジアンビバップスケール
- Cロクリアンビバップスケール
この2つのビバップスケールがAb7で使えるビバップスケールになります。
このようにAb7=Fm7というコードの代理ではなく、ビバップスケールの音で考えると理解できるようになっていくと思います。
この記事へのコメント