コラム

曲のコード進行の覚えかたについて

質問内容

曲の覚えかたについてなんですが、ジョーイさんはどうやって覚えていますでしょうか?

今、枯葉を練習しているのですが、ジャズにしては簡単なコード進行(だと思うのですが)なのになかなか覚えられません。よく、ローマ数字などでコードが書いてあるのを見ますが覚えられません。

何かいい練習方法、コード進行の覚え方を教えてください。

よくあるパターンを覚える

コード進行を覚えるコツはよくあるパターンを覚えてしまうことです。

ジャズスタンダードでもっとも多く使われるパターンはII-V-Iツーファイブワン進行。まずはこのコード進行を全てのキーで覚えてしまいます。

覚えるといってもただ暗記するだけではなく、ギターでコードを弾きながら響きも一緒に覚えるのが効率的です。

ギターは隣のフレットに移動させれば移調できるので、各コード5弦、6弦ルートのフォームを覚えれば12キー全てのII-V-Iを弾けます。

メジャーキーのII-V-I

メジャーキーのII-V-Iで使える基本のコードフォーム

m7

5弦ルートのm7

7

6弦ルートの7

Ma7

5弦ルートのMa7

m7

6弦ルートのm7

7

5弦ルートの7

Ma7

6弦ルートのMa7


Dm7-G7-CMa7楽譜


D#m7-G#7-C#Ma7、Ebm7-Ab7-DbMa7楽譜

Em7-A7-DMa7楽譜


Fm7-Bb7-EbMa7楽譜


F#m7-B7-EMa7楽譜


Gm7-C7-FMa7楽譜


G#m7-C#7-F#Ma7、Abm7-Db7-GbMa7楽譜


Am7-D7-GMa7楽譜


A#m7-D#7-G#Ma7、Bbm7-Eb7-AbMa7楽譜


Bm7-E7-AMa7楽譜


Cm7-F7-BbMa7楽譜


C#m7-F#7-B#Ma7、Dbm7-Gb7-CbMa7楽譜

マイナーキーのII-V-I

マイナーキーのII-V-Iで使える基本のコードフォーム

m7(b5)

5弦ルートのm7(b5)

7

6弦ルートの7

m7

5弦ルートのm7

m7(b5)

6弦ルートのm7(b5)

7

5弦ルートの7

m7

6弦ルートのm7


Dm7(b5)-G7-Cm7楽譜


D#m7(b5)-G#7-C#m7、Ebm7(b5)-Ab7-Dbm7楽譜


Em7(b5)-A7-Dm7楽譜


Fm7(b5)-Bb7-Ebm7楽譜


F#m7(b5)-B7-Em7楽譜


Gm7(b5)-C7-Fm7楽譜


G#m7(b5)-C#7-F#m7、Abm7(b5)-Db7-Gbm7楽譜


Am7(b5)-D7-Gm7楽譜


A#m7(b5)-D#7-G#m7、Bbm7(b5)-Eb7-Abm7楽譜


Bm7(b5)-E7-Am7楽譜


Cm7(b5)-F7-Bbm7楽譜


C#m7(b5)-F#7-B#m7、Dbm7(b5)-Gb7-Cbm7楽譜

ギターの指板上でII-V-Iのルートの動きを覚えておくのもおすすめです。

Dm7-G7-CMa7のルートの動き
ギター指板上でのDm7-G7-CMa7のルートの動き

II-V-Iの動き
ギター指板上でのII-V-Iの動き

指板上のルートの動きに当てはめることで、コード進行がII-V-Iかどうかすぐに見分けることができます。

枯葉のコード進行で探すII-V-I

II-V-Iを覚えたら枯葉のコード進行みてください。

枯葉の1〜8小節目
枯葉の1〜8小節目のコード進行

BbメジャーのII-V-IとGマイナーのII-V-IをEbMa7でつなげているのが分かります。II-V-Iを基準にしてコード進行を理解しておくと効率的に覚えられるはずです。

理論を使って覚える少し高度な方法

BbメジャーのII-V-IとGマイナーのII-V-IをEbMa7でつなげている、という覚え方だと転調したときに対応できません。そこで使うのが理論です。

その曲のキーを理解して、そのキーを基準にコード進行を覚えていきます。枯葉のキーはGマイナーなので、Gm7をIm7とします。

枯葉のコード進行ローマ数字表記
枯葉の1〜8小節目のコード進行を度数表記にした楽譜

II-V-Iを見やすくした表記
枯葉の1〜8小節目のコード進行をII-V-Iを分かりやすくした楽譜

Cm7-F7はBbMa7に対するII-V。BbMa7はGm7をIとしたときbIIIMa7になるので、IIm7/bIII(bIIIに対するIIm7)と表記します。

この方法は以下3つのジャズ理論が必要になります。

ローマ数字の表記は慣れるまで混乱しやすいので、はじめのうちはそのままコードネームを覚えておくのがおすすめです。

曲を聴いて耳から覚える

私の場合はとにかく曲を聴いて耳から覚えます。その方法は以下3つのステップです。

1. 覚えたい曲のリードシートを見ながらCDを聴いて曲の流れを追っていきます。このときメロディーだけでなく、アドリブパートやドラムソロも追って、小節感覚を同時に身につけます。

2. ある程度追えるようになってきたら、リードシートを見ないでCDを聴き、頭の中でリードシートをイメージします。リードシートがイメージできなければまた1.に戻ります。

3. リードシートをイメージできたらCDに合わせてメロディーを弾き、アドリブの間はコードを弾きます。

この3ステップをひたすら繰り返して覚えています。

リードシートがない曲の場合

リードシートがない曲は自分でリードシートを作ってる間に覚えることができます。

作り方の流れは以下の通りです。

  1. 曲のサイズをコピーする
  2. メロディをコピーする
  3. ベースをコピーする
  4. ピアノ(コード楽器)をコピーする

リードシート作りはその曲を数百回は聴くことになるので、自然と覚えることができます。

リードシートがある曲でも、自分でリードシート作りをしてみると意外と簡単に覚えられるかもしれません。

詳しくは以下のページで紹介しています。

数をこなしていく

どうしても覚えられないときは、とりあえず他の曲を覚えてみるというのもおすすめです。

1曲だけをずっと覚えようとするよりも、いろいろな曲のコード進行に触れていくことで耳が鍛えられ、コード進行が覚えやすくなります。

ジャズスタンダードは同じようなコード進行が多いので、1曲だけだと気づかなくても、10曲、20曲と増えていくと「このコード進行、前にも聴いたことある」と共通点がみつかるはずです。

ぜひ枯葉以外の曲にも挑戦してみてください。

どれだけ好きかが大切です

曲を覚えるときに大切なことは、「この曲を絶対覚えたい!」と思うくらい好きかどうかです。

その曲はどうしても弾きたい曲ですか?

ジャズスタンダードは「みんながやっているから」「初心者に最適といわれているから」など、教則本やネットの情報で取り組むことも多いと思います。しかし、そもそも曲自体を好きでないと覚えられませんし、アドリブ練習も楽しめません。無理やり覚えたとしてもすぐに忘れてしまいます。

せっかく覚えるのなら、「どうしても覚えたい!」「どうしても弾きたい!」と思える曲に厳選することが大切です。

自分が本当に気に入った曲や感動した曲を覚えることからはじめると、覚えられないという悩みが解消されていくと思います。

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