アドリブ

ドミナントコードでアウトする3つのアイデア

ドミナントコードが続くときに使えるアウトのアイデアは次の3つ。

  1. 裏コードを想定する
  2. ホールトーンスケールを使う
  3. ディミニッシュスケールを使う

ここではウェイン・ショーター作曲のAdam’s Appleのコード進行を使って、Ab7でのアウト例を紹介します。ぜひ弾きながらアウトを楽しんでみてください。

Adam’s Appleのコード進行

Adam’s Appleのコード進行

裏コードを想定したアウト

Ab7で使えるスケールはAbミクソリディアンとAbリディアンドミナント。

Abミクソリディアン
Abミクソリディアンスケール楽譜

Abリディアンb7
Abリディアンb7スケール楽譜

Ab7の裏コードD7を想定すると、DミクソリディアンとDリディアンドミナントを使うことができます。

DミクソリディアンをAb7で弾いたときの度数
Dミクソリディアンスケール楽譜

アウトする音はE、G、A、Bの4音

Dリディアンb7をAb7で弾いたときの度数
Dリディアンb7スケール楽譜

アウトする音はE、A、Bの3音。

アウトする音が多い方がアウト感が強いです。

Ab7でD7を想定したアドリブ例



裏コードを想定したアドリブ例楽譜ページ1
裏コードを想定したアドリブ例楽譜ページ2

色付けした箇所がD7を想定したアウトです。

ホールトーンスケールを使ったアウト

ホールトーンスケールをドミナントコードで使ったときのアウト音は#5しかありません。

Abホールトーンスケール
Abホールトーンスケール楽譜

しかし、スケールそのものの響きが特徴的だと、アウト音が少なくてもアウトしているように感じさせることができます。

Abホールトーンスケールを使ったアドリブ例



ホールトーンスケールを使ったアドリブ例楽譜ページ1
ホールトーンスケールを使ったアドリブ例楽譜ページ2

Abミクソリディアンスケールのフレージングしたあとに、ホールトーンスケールを混ぜるのが効果的です。

ディミニッシュスケールを使ったアウト

ディミニッシュスケールも響きが特徴的なスケールです。Ab7でAbディミニッシュスケールを使います。

Abディミニッシュスケール
Abディミニッシュスケール楽譜

アウト音はCb、E、Gの3つです。

Abディミニッシュスケールを使ったアドリブ例




ディミニッシュスケールを使ったアドリブ例楽譜ページ1
ディミニッシュスケールを使ったアドリブ例楽譜ページ2
ディミニッシュスケールを使ったアドリブ例楽譜ページ3

演奏動画

ドミナントコードでのアウトアイデア1
半音上、半音下、スーパーインポーズももちろん使えますが、裏コードを想定したアウトもおすすめ。
Ab7の場合、裏コードのD7を想定してフレージングします。
Abトライアド-Dトライアドのパターンは常套句。
動画はAdam’s Appleのコード進行Ab7でアウトした例。 pic.twitter.com/zPlekSj3fC

— ジョーイ@jazzguitarstyle.com (@jazzguitarstyle) January 24, 2020

ドミナントコードでのアウトアイデア2
ホールトーンスケールを使ったアウト。
アウトする音は#5だけですが、スケール自体が個性的な響きなので、アウトしているように聴こえます。
動画はAdam’s Appleのコード進行Ab7でAbホールトーンスケールを使った例。 pic.twitter.com/xxO28LY4IU

— ジョーイ@jazzguitarstyle.com (@jazzguitarstyle) January 25, 2020

ドミナントコードでのアウトアイデア3

ディミニッシュスケールを使ったアウト。

アウトする音は#9、#5、7の3音ですが、ホールトーンスケール同様、スケール自体が個性的なので面白い響きになります。

動画はAdam’s Appleのコード進行。1〜8小節目のAb7でAbディミニッシュスケールを使った例。 pic.twitter.com/oFCw9iFqtW

— ジョーイ@jazzguitarstyle.com (@jazzguitarstyle) January 26, 2020

アルバム「Adam’s Apple」

Adam’s Appleが収録されているウェイン・ショーターのアルバム「Adam’s Apple」。アウトはしていませんが名曲ぞろいの名盤です。

Adam's Appleアルバムジャケット
1967年発売
Wayne Shorter – tenor saxophone
Herbie Hancock – piano
Reggie Workman – bass
Joe Chambers – drums
  1. Adam’s Apple
  2. 502 Blues
  3. El Gaucho
  4. Footprints
  5. Teru
  6. Chief Crazy Horse
  7. The Collector

この記事へのコメント

  1. 橋本 より:

    質問失礼します。
    よくドミナントコードではコンディミが使えると聞くのですが、こちらで紹介されている
    ディミニッシュスケールとの住み分けや使い方の違いがよく分からず。
    2つを足すともう全部の音が使えるという感じになりますよね?
    全然違うスケールであればそのスケールの特徴音みたいなのを強調したりして
    そのスケールぽさを出せると思うのですが、ディミニッシュとコンディミは感じも
    似ているのでどういう使い分けをしているのかなっと。
    コンディミにしかない音はb9,M3,P5,b7なので、それを強調したい場合は
    コンディミという感じでしょうか?

    • jazzguitarstyle.com より:

      コンディミはV7-Iするときのドミナントコードで使うスケールで、ディミニッシュスケールはディミニッシュコードで使うスケールと考えています。
      ここではアウトするためなので、コンディミではなく、あえてディミニッシュスケールを使っています。

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