ギターでは同じフレーズでもさまざまな弾き方ができます。はじめは弾きやすい方法で弾いて、最終的には自分の出したい音が出せる方法を瞬時に選べるようになるのが理想です。ここではビバップのメロディーを例に、ポジション選び、運指、ピッキング、フィンガリングテクニックの選び方をみていきましょう。
ポジションと運指選び
ポジションを決めると、運指、ピッキング、フィンガリングテクニックも決めやすくなります。チャーリー・パーカーのPerhapsを例に選んでみましょう。
Perhapsのメロディー
まずは固定ポジションで弾いてみます。
ギターらしさを出すために開放弦を使ったポジションで弾くのもおすすめです。
開放弦はミュートの難しさや、響きが押弦とは異なるのが特徴です。押弦、開放弦どちらの響きが好みかによって基本とするポジションが変わります。ここでは固定ポジションを基本に自分好みにアレンジして弾いてみます。
1小節目の3拍目ウラだけ4弦7フレットにしています。4拍目の2音だけを3弦にすることで、トレブルを強調できます。ただし、使っているギターの種類や弦のゲージによっても変わるので、どの弦のどのポジションだと高音(または低音)が強調されるのか、などを研究しておくことも大切です。
ピッキングの選び方
ポジションと運指を決めたらピッキングを決めていきましょう。まずはオルタネイトで弾きます。
ダウンピッキングのほうがアクセントを付けやすいので、2小節目の1拍目のウラをダウンピッキング。逆に3拍目のアタマはアクセントを抑えたいのでアップピッキングに変えます。
どの音にアクセントを付けたいか、または付けたくないかによってピッキングを使い分けるのがおすすめです。ピッキングが決まったらフィンガリングテクニックを加えて仕上げていきましょう。
フィンガリングテクニックの選び方
フィンガリングテクニックは音を滑らかにつなげることができるテクニックです。ピッキングとフィンガリングテクニック両方でアクセントのコントロールができると、表現の幅が広がります。
まずは全てをフィンガリングテクニックを使って弾いてみましょう。
この中から気に入ったフィンガリングテクニックを選んで加えていきます。拍アタマはアクセントを抑えるのが難しいので、拍アタマに向けてフィンガリングテクニックを使うのがおすすめです。
2小節目と3小節目にハンマリングを加えています。何も加えない場合と響きがどう違うかも弾き比べてみてください。
ポジションやピッキング、フィンガリングテクニックの選び方に正解はありません。選び終わったフレーズでも、何ヶ月か経って弾くと別の方法がカッコよく聴こえることもあります。1つのフレーズに対しさまざまな可能性を試し、その中からカッコいいと思える方法を選んでいく、という過程を大切に練習してみてください。
バッハの曲を弾いてみよう
ピッキングやフィンガリングを上達させる方法としてクラシック曲を弾くのもおすすめです。ジャズでは出てこない音使いに出会えるので、アドリブのアイデアにもなります。ここではバッハの「Sonatas and Partitas」32ページから抜粋してPDFにしました。
SONATA IV. For Guitar PDF(57KB)
自分なりの運指を見つけるのも良い練習になります。フィンガリングテクニックも同様に自分なりの方法を探してみてください。原著はTAB譜がついていないので、読譜の練習にも最適です。
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