Adam RogersのWithout a Songはアルバム『Time And The Infinite』の7曲目に収録されています。
作曲はVincent Youmans。A-A-B-Aフォーム56小節の曲です。
トリオ編成のこのバージョンでは、メロディの歌わせ方や変幻自在のタイム感、4度ヴォイシングを使ったハーモニーなどが学べます。
音源を聴きながら楽譜を追ってみてください。
前テーマメロディ
Adam Rogersアドリブ
1分18秒からはじまるアダム・ロジャースのアドリブ。3連符のを巧みに使ったフレージングが展開されます。
1コーラス目
2コーラス目
3コーラス目
ベースソロのコンピング
5分14秒からはじまるベースソロのコンピング。ギターで弾きやすいm9や6(9)のコードフォームや、4度ヴォイシング、半音アプローチを使っているのが特徴です。
2ndソロ
後テーマに入る前のAセクションでのアドリブパートです。
後テーマメロディ
エンディング
後テーマの終わりはEb-Ab-Gm-Fmを繰り返すエンディンです。
編集後記
アダム・ロジャースの採譜で一番悩ましいのがタイム感をどこまで記譜するか。ストレートとスウィングのノリが絶妙に混ざり、かつスウィングではレイドバックを多用しています。
全てを記譜しようとするとどうしても煩雑な楽譜になってしまうので、次の3つで統一しました。
- 基本のスウィングは8分音符で記譜
- 3連符のスウィングは4分+8分の3連で記譜
- 3連符2つ目へのレイドバックは実記
ジャズのリズムをどう記譜するかは今後の課題です。
アドリブセクションのコード進行と分析
C7、D7ではオルタード系のスケールを使っていますが、それ以外のV7ではミクソリディンスケールや、II-Vに分割してIIドリアンスケールを使っているのが特徴です。
アルバム「Time And The Infinite」
Without a Song以外にもスタンダードのNight And Day、Cheryl、I Loves You, Porgyが収録されています。オリジナル曲4曲中2曲はアコギを使い、クラシックの影響を取り入れたアダム・ロジャースらしい楽曲になっています。
- Night And Day (Cole Porter) 5:39
- Elegy (Adam Rogers) 5:44
- Time And The Infinite (Adam Rogers) 3:23
- Young And Foolish (Arnold B. Horwitt / Albert Hague) 7:10
- Cheryl (Charlie Parker) 6:45
- Esteban (Adam Rogers) 5:24
- Without A Song (Vincent Youmans) 8:56
- Ides Of March (Adam Rogers) 5:24
- I Loves You, Porgy (George Gershwin) 10:25
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