V7でマイナートライアドを使ったマイナーII-V-Iリックに引き続き、ピアニスト、Lars Janssonの演奏からGマイナーキーのII-V-Iを紹介します。
クロマチックを絶妙に絡めたアプローチ法をぜひ身につけてみてください。
Gマイナーキーでの実例
コンピング
ターゲットノート
Am7(b5)の13thのように、コードトーンでもテンションでもない音が出てきた場合、次のコードを先取りしていると考えます。
アプローチノートの分析
D7の3rd(Am7(b5)の13th)=Gナチュラルマイナースケール
D7のb9th=クロマチックパッシングトーン
D7の#9th=アポジャトゥーラ
Gm7のb3rd=Gナチュラルマイナースケール
スケール名はコードに合わせてAロクリアンやDbミクソリディアンb9b13など、好きな名前で覚えて構いません。
アプローチノートに対しさらにアプローチノートを加えるとリックが完成します。
1小節目3拍目ウラ~=ネイバートーンを追加
2小節目1拍目ウラ~=ネイバートーン+エスケープトーンを追加
今回は2拍先取りしていると解釈していますが、4拍(1小節)先取りしていると解釈することもできます。音の解釈は1通りではないので、自分の耳にとってしっくりくる解釈を選ぶことも大切です。
Am7(b5)のアレンジ
ターゲットノートが休符のリックは音を加えるだけでも効果的です。ここではb3rdを追加してみましょう。
アプローチノートを加えることもできます。ここではクロマチックパッシングトーンを加えてみます。
D7のアレンジ
ターゲットノートは活かしたままアプローチノートを変えてみましょう。
トライアドとチェンジングトーンを使った例
b9th=Bbトライアド
#9th=コードトーン+チェンジングトーン
コードトーンとチェンジングトーンを使った例
b9th=D7のコードトーン
#9th=チェンジングトーン
オリジナルのリック
Am7(b5)とD7のアレンジを組み合わせれば、コピーしたリックを活かしたオリジナルのリックが完成します。
リズムアレンジ
各アプローチノートの最初の音を無くすことで、ターゲットノートをアンティシペーションさせることができます。
アンティシペーションさせたアレンジ
ディレイドアタック
チェンジングトーンを使ってGm7のターゲットノートをディレイドアタックさせてみましょう。
タグノート
タグノートを3音加えて弾いてみましょう。
3音のタグノート
オーグメンテーション
D7のリックをII-Vにオーグメンテーションさせてみます。
ディミニューション
8分を3連符と5連符にディミニューションさせてみましょう。
メジャーキーのII-V-Iでのサウンド
平行調の関係にあるメジャーキーで使うこともできます。
ターゲットノート
マイナーII-V-Iで覚えたリックをメジャーII-V-Iで使うことはないかもしれませんが、どんな響きになるのかを知っておくだけでもイヤートレーニングになるのでおすすめです。
実践で使ってみよう
Upper Manhattan Medical Groupのコード進行でリックを使う練習をしてみましょう。
最初からリックを使うのではなく、コードトーンを使ってアドリブしてから上手く取り入れる練習がおすすめです。
ここではFm7(b5)-Bb7-Ebm7にリックを転調させて使っていきます。
リックをそのまま使った例
アレンジしたリックを使った例
リックを分析する→アレンジする→オリジナルのリックを作る→実践で使う、を繰り返し練習してみてください。
このリックが学べるCD
ピアニストLars Jassonのアルバム。4曲目の酒バラからのリックです。
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