耳を鍛えるイヤートレーニングにはさまざまな方法があります。
好きなアーティストの演奏をコピーしているだけでも耳は鍛えられますが、より効率的に鍛えるためには基本となる音程を知っておくことが大切です。
耳を鍛えておくとコピーしやすくなるのはもちろん、頭の中に鳴った音を瞬時にギターに置き換えるのにも役立ちます。
音程は一度覚えてしまえば忘れないので、耳を鍛えたいと思ったらすぐにでも取り組んでみてください。
声に出して歌う
耳を鍛えるためには自分の中に音を取り込むことが大切です。
そのための方法として効果的なのが歌うことです。
ギターを使って練習しているときは、全ての音を声に出して歌ってみてください。
自分のイメージと出したい音が合っていればいいので、完璧な音程で歌う必要はありません。
歌い方は自由です。「ド・レ・ミ・ファ・ソ・・」でも「ラ・ラ・ラ・ラ・・・」でも好きな方法を使ってみてください。
とくにビバップのメロディはジャズの基本の音使いでできているので、歌えるようにするだけでも良い練習になります。
最終的にアドリブも歌えるようにしてみてください。
音程を覚えよう
音程を覚えるとコード進行をコピーするときにも役立ちます。
覚え方は簡単です、すでに覚えているメロディを元に、それがどんな音程なのかを調べていくだけです。
以下各音程とそれに対応するスタンダードのメロディをまとめました。
上昇
短2度 How Insensitive
長2度 Body and Soul
短3度 Moanin’
長3度 Anthropology
完全4度 Nardis
減5度 Isotope
完全5度 Bags Groove
短6度 Black Orpheus
長6度 Take The A Train
短7度 Somewhere
長7度 Ceora
完全8度 Somewhere Over The Rainbow
下降
短2度 Green Dolphin St.
長2度 Satin Doll
短3度 500 miles high
長3度 Giant Steps
完全4度 Passion Dance
減5度 Blue 7
完全5度 Black Nile
短6度 No More Blues
長6度 Nobody Knows the Trouble I’ve Seen
短7度 Watermelon Man
長7度 I Love You
完全8度 Willow Weep For Me
ジャズスタンダードのメロディを例に紹介しましたが、ポップスやロックのメロディでも構いません。自分だけの音程リストを作ってみてください。
ソルフェージュとナンバーシステム
メロディやスケールを歌う方法は大きく分けて2つあります。
一つは「ドレミファソラシド」と読むソルフェージュと呼ばれるもの。
もう一つは「12345678」(ワン・トゥー・スリー・・・)とナンバーで読む方法。
どちらの方法が優れているということはないので、自分で歌ってみて歌いやすい方を使ってみてください。
ソルフェージュについてはソルフェージュの原理とスケール、スタンダードでの実例で紹介しています。
絶対音感と相対音感
絶対音感とは、音を聴いた瞬間に音名を答えることができるもので、訓練によって近づくことはできても、身に付けることができないものです。
絶対音感を持っている人のほとんどは天性のものか、子供の頃に教育を受けたことのある人です。
それに対して相対音感は、基準の音を基点に他の音を探し当てるというものです。
例えば、C(ド)を聴いて次にG(ソ)を聴いた時、それが5度と理解できる能力で、練習すれば誰にでも身につけることができます。
jazzguitarstyle.comでは、相対音感を身に付けることを目的とたイヤートレーニングを公開しています。
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実際の音源から音を採る
好きなアーティストの演奏をコピーすることは最高のイヤートレーニングになります。
はじめは数音から始めて、1小節、2小節・・・と徐々にコピーする範囲を広げていくのが効率的です。
またギターに限らず、楽曲全体をコピーしてリードシートを作るのもおすすめです。
リードシート作りはメロディをコピーすることはもちろん、ベースラインやピアノのコンピングをコピーしてコード進行を導きだします。
楽曲全体をコピーすることでその曲に対する理解も深まり、総合的なイヤートレーニングになります。
ジャズスタンダードのリードシートではパブリックドメインになっているスタンダードのリードシートをベースラインとピアノコンピングと合わせて紹介しているので、コピーする際の答え合わせとして活用してください。
何かコツがあるのでしょうか?
基本を覚えたらあとは好きなギタリストの耳コピをするだけ。コツはスピードを落として聴き取りやすくすること。
カッコいいと思ったフレーズがあったらどんどん耳コピしてみてください。数をこなしていくうちに耳コピ速度も上がってきます。
まとめ
耳は音楽を聴いていれば自然と鍛えられていきます。さらに3つのことを意識すると格段に効率が上がります。
イヤートレーニングの教則本
イヤートレーニングの教則本やDVDは多く出ていますが、その中でおすすめできるのが次の2冊です。
「相対音感をマスターするための イヤートレーニング」で音程やリズム、スケールの響きを覚えてから「Jazz Ear Training」でテストしてみる、という使い方がおすすめです。
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