Be Bop Rompはファッツ・ナヴァロのアルバム「1947-1949」の13曲目に収録されているビバップ曲です。
メロディ、ベースライン、ピアノコンピングの順番でコピーし、リードシートを作っていきます。
音源を聴きながら作りかたを追ってみてください。
Be Bop Rompリードシート
Be Bop Rompのサイズ
リードシート作りを始める前に、楽曲の全体像を軽くスケッチしましょう。
- テーマ A-B-A-C
- ソロセクション A-B-A-C
- 後テーマ A-C
メロディをコピーする
前テーマ・メロディ
トランペットのオクターブ下をテナーサックスが吹くユニゾンメロディになっています。
楽譜はトランペットをメインに書いているので、テナーサックスがオクターブ下を弾くという意味の(T.sax 8vb)を記譜。
また2回目の[A]は1回目と同じなのでリピート記号を使っています。
後テーマ・メロディ
後テーマの[A][C]は前テーマの[A][C]と全く同じメロディになっています。
ベースラインをコピーする
ベースがコードのルートを弾かないことも想定しつつ、1拍目の音をコードネームして書いておきます。
前テーマ・ベースライン
後テーマ・ベースライン
テーマからソロセクションに入るとき2小節のソロブレイクが入ります。この箇所のコード進行はソロセクションをコピーしておきます。
ソロセクションの[C]後半のベースライン
ベースラインからだけでもさまざまな仮説が立てられます。
- Abから始まりAbで終わるのでキーはAb
- Bb-EbはAbキーのIIm7-V7
- BはbIIIdim
ある程度コード進行を想定しておくと、ピアノのコピーが楽になります。
ピアノのコンピングをコピーする
ピアノのヴォイシングはギターでは弾きづらいことが多いので、完コピではなくアレンジしていきます。
コードネームは、コピーしておいたベースラインと照らし合わせながら書きます。
前テーマピアノコンピング
後テーマピアノコンピング
ソロセクション[C]後半のピアノコンピング
ピアノのコンピングからキーAbが確定しました。
後テーマ最後のコード進行
AbM7-BM7-EM7-AM7-AbM7はI-VI-II-V-Iからリハモして出来たコード進行です。
もとになるI-VI-II-V-I
2小節目Bbm7への解決感を強くするためFm7をF7にリハモ。
F7とEb7をそれぞれB7、A7の裏コードにリハモ。
裏コードは同じトライトーン(3度とb7度の音程)を持つドミナントコードを指します。
F7の3度とb7度はA音とEb音。
B7の3度とb7度はD#(Eb)音とA音。
どちらも同じトライトーンなのでリハモすることができます。
2小節目A7に進みたくさせるためBbm7をBb7にリハモ。
Bb7を裏コードのE7にリハモ。
ドミナントは響きが強力なので、それを和らげるためにメジャーセブンスコードにリハモ。
リハモを経てI-VI-II-V-IがBe Bop Rompで使われているコード進行なります。
ベースとピアノを合わせてコードネームを付ける
コピーしたメロディにAbメジャーの調号を加えコードネームを付けましょう。
[A]5小節目はCm7と表記することもできますが、AbM7の雰囲気を出したかったのでAbM7/Cとしています。
ソロセクション用のコード進行を別に書く場合は、メロディのコードネームを細かく表記しておくと再現度が増します。
リードシートを1ページで収めたい場合は、ソロセクションと共用できるようにシンプルなコードネームで書くのがおすすめです。
後テーマにもAbメジャーの調号を加えコードネームを付ければリードシートの完成です。
アルバム『1947-1949』
現在アルバムの入手は困難ですが、各配信サイトで聴くことができます。
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