Cecil AlexanderのYouTubeチェンネルで公開されているGiant Stepsをタブ譜つきギタースコアにしました(原曲のコード進行はリードシートのページで紹介しています)。
コルトレーンの1-2-3-5パターンはほとんど使わず、スケールとクロマチックを組み合わせたビバップスタイルの演奏です。このテンポでほぼフルピッキングするテクニックも圧巻。
ぜひ譜面を追いながら聴いてみてください。
アドリブ1コラース目
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アドリブ2コーラス目
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アドリブ3コーラス目
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フレーズ分析
Cecilのプレイスタイルはスケールとクロマチックを巧みに使うのが特徴です。ビバップスケールのコンセプトを元に洗練されたサウンドを生み出しています。
ビバップスケールのコンセプトは拍アタマをコードトーンまたはテンションにすることです。最初の2小節をみてみましょう。
拍アタマの度数
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拍アタマの音が全てコードトーン、またはテンションになっているのが分かります。またターゲットノート(1、3拍目の音)へのアプローチがクロマチックを含むチェンジングトーン(はさみこみ)になっているのも特徴です。
アプローチノートのアイデア
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この3つのアプローチはCecilがよく使う方法です。
3〜5小節目
拍アタマの音を調べると、Ebでのb3rd、Am7でのb9thなど、コードトーンやテンション以外の音が出てきます。
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これらの音は前のコードを延長させているサスペンションか、次のコードの先取りするアンティシペーションです。
サスペンションとアンティシペーション
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Bb7が2拍分伸ばしEbの解決を3拍目に。Bb7の最初の2拍はFm7のフレージングなので、Bb7をFm7-Bb7のII-V化したと捉えることもできます。
3小節目のAm7-D7はD7を先取りしてD7のみで弾いています。
これらから推察できるCecil Alexanderのフレージングの特徴は次の3つです。
- ビバップスケールコンセプト。拍アタマの音を意識している
- サスペンションやアンティシペーションを自在に使う
- クロマチックを使ったアプローチを多用する
これら3つをBPM300で正確に演奏するCecilは怪物です。ピッキングテクニックも半端ないので、ぜひコピーして学んでみてください。
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