Central Park Westはジョン・コルトレーンのアルバム「Coltrane’s Sound」の2曲目に収録されているバラードです。
ピアノはシンプルなコード、ベースは常にコードのルートを弾いているので、初めてのリードシート作りにも最適な曲です。
音源を聴きながらリードシートを追ってみてください。
Central Park Westリードシート
Central Park Westリードシートの作り方
リードシートは曲のサイズ、メロディ、コードネーム(ベースとピアノのコピー)の順番に作っていきます。まずは曲を聴いて全体像を軽くスケッチしましょう。
- テーマ 10小節を2回
- ソロセクション 10小節 1コーラスを4回
- 後テーマ 10小節からエンディングへ
ピアノソロ後の10小節はテーマに戻ったと考えることもできますが、
後半になると音数が増えてくるのでソロセクションと捉えています。
メロディをコピーする
メロディは前テーマ、後テーマ両方をコピーすることで正確性が増します。
前テーマ
最初の10小節と次の10小節でメロディの展開のさせ方が違うので、[A][B]とリハーサルマークで区別しています。
後テーマ
[A]のメロディを元に展開しているので、[A’]としています。
ベースラインをコピーする
ベースがコードのルートを弾かないことも想定して、コピーしたベースラインからおおよそのコードネームを仮で書いておきます。
前テーマベースライン
オクターブや多少のリズムの違いはありますが、全編このパターンです。
4度進行が多いので、「II-V-Iかも」と想定してピアノをコピーしていきましょう。
ピアノのコンピングをコピーする
ピアノのヴォイシングはギターでは弾きづらいことも多いので、完コピではなく弾けるようにアレンジしていきます。
コードネームは、コピーしておいたベースラインと照らし合わせながら書きます。
前テーマピアノコンピング
ベースラインから立てた仮説どおり、全てがII-V-Iになっています。
BメジャーキーのII-Vで始まりBメジャーで終わるので、キーBメジャーと考えることができます。
ベースとピアノを合わせてコードネームを付ける
コピーしたメロディにBメジャーキーの調号を加えコードネームを付けましょう。
ソロセクションのコードネームは自由度を増すため、テンションを付けずシンプルな4和音表記にするのもおすすめです。
エンディングにもBメジャーの調号を加えコードネームを付ければリードシートの完成です。
コード進行の特徴
Central Park Westは4つのキーから作られています。
これらのキーは5度圏を均等に分けたときに出てくるコードです。
まず半分にします。
CとGbの関係はトライトーンとしても有名です。
さらに均等に分けるために横に線を入れます。
5度圏の4等分が完成しました。Cから左に進むとEb-Gb-Aとそれぞれ短3度音程になっているのも特徴です。
これをBを基準にすると次のようになります。
B-D-F-Ab
並びかえるとB-D-Ab-F
Central Park Westで使われている4つのキーになります。
それぞれをトニックと考えてII-Vを入れることで曲が完成しています。
一見すると関係性の無いコードに見えますが、美しく響くコード進行には何かしらの理由がある(後付できる)のが音楽の面白いところです。
アルバム『Coltrane’s Sound』
今回取り上げたCentral Park West以外にもsatelliteや26-2など名曲揃いのアルバムです。
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