ここではマイナー系のコードで使えるドロップ2ヴォイシングを12種類紹介します。
ヴォイシングを覚えるコツは形ではなく度数で覚えることです。度数で覚えると、コードフォームを覚えていなくても自分で作り出すことができるようになります。まずはギターのコードフォームとして一般的なマイナー・セブンス・コードの度数を覚え、そこから音を動かして他のコードフォームに変えていくのが簡単です。
基本系と合わせて転回系も紹介しているので、普段使っているコードフォームを転回させると響きがどう変わるかも意識しながら弾いてみてください。
音源はm7(b5)とm7(#5)以外はルートをCで統一。m7(b5)はルートをD。m7(#5)はルートをGにしています。
全てのフォームを覚えようとせず、気に入った響きのするものだけに限定して覚えてみてください。
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12種のマイナードロップ2ヴォイシング一覧PDF
m7 (R-b3-5-b7)
ギターではもっとも一般的な5弦ルートのマイナー・セブンス・コードです。まずはこのフォームの度数を覚えましょう。
5〜2弦だけでなく、6〜3、4〜1のセットでも弾くことができます。
3~6弦を使ったm7コードのドロップ2ヴォイシング
2~5弦を使ったm7コードのドロップ2ヴォイシング
1~4弦を使ったm7コードのドロップ2ヴォイシング
気に入った響きのするコードフォームを見つけたらコード進行にあてはめます。
ここではマイナーII-V-Iを使いますが、スタンダードのコード進行に合わせても構いません。
前後のコードも含め、自分だけのコードフォームの流れを作ってみてください。
m7をII-V-IのIコードで使った例
Dm7(b5)では11th、G7ではb13th、b9thのテンションを含んだフォームを使ってトップノート(1弦)を上昇させています。
m9 (9-b3-5-b7)
m7のルートを9thに変えるとマイナー・ナインス・コードになります。
b3rdをルートとするMa7コードと同じフォームになるのが特徴です(Cm9=EbMa7)。
3~6弦を使ったm9コードのドロップ2ヴォイシング
2~5弦を使ったm9コードのドロップ2ヴォイシング
1~4弦を使ったm9コードのドロップ2ヴォイシング
m9をII-V-IのIコードで使った例
Cm9=EbMa7を覚えておくとリハモのアイデアにも活用できます。
m7(11) (R-b3-11-b7)
m7コードの5thを11thに変えるとマイナー・セブンス・イレブンス・コードになります。
11thをルートとした7sus4コードと同じフォームになります(Cm7(11)=F7sus4)。
3~6弦を使ったm7(11)コードのドロップ2ヴォイシング
2~5弦を使ったm7(11)コードのドロップ2ヴォイシング
1~4弦を使ったm7(11)コードのドロップ2ヴォイシング
m7(11)をII-V-IのIコードで使った例
m11 (9-b3-11-b7)
m7(11)コードのルートを9thにするとマイナー・イレブンス・コードになります。
b3rdをルートとするMa9コード(3度なし)としてもよく使われるフォームです(Cm11=EbMa9omit3)。
3~6弦を使ったm11コードのドロップ2ヴォイシング
2~5弦を使ったm11コードのドロップ2ヴォイシング
1~4弦を使ったm11コードのドロップ2ヴォイシング
m11をII-V-IのIコードで使った例
m6 (R-b3-5-6)
m7のb7thを6thにするとマイナー・シックス・コードになります。
6thをルートとするm7(b5)コードと同じフォームになります(Cm6=Am7(b5))。
3~6弦を使ったm6コードのドロップ2ヴォイシング
2~5弦を使ったm6コードのドロップ2ヴォイシング
1~4弦を使ったm6コードのドロップ2ヴォイシング
m6をII-V-IのIコードで使った例
m6(9) (9-b3-5-6)
m6コードのルートを9thにするとマイナー・シックス・ナインス・コードになります。
ドミナント・コードでよく使われる7(#5th、#9th)と同じフォームが出てくるのが特徴です。
3~6弦を使った6(9)コードのドロップ2ヴォイシング
2~5弦を使った6(9)コードのドロップ2ヴォイシング
1~4弦を使った6(9)コードのドロップ2ヴォイシング
m6(9)をII-V-IのIコードで使った例
mM7 (R-b3-5-7)
m7コードのb7thを7thにするとマイナー・メジャー・セブンス・コードになります。
3~6弦を使ったmM7コードのドロップ2ヴォイシング
2~5弦を使ったmM7コードのドロップ2ヴォイシング
1~4弦を使ったmM7コードのドロップ2ヴォイシング
mMa7をII-V-IのIコードで使った例
mMa9 (9-b3-5-7)
mMa7コードのルートを9thにするとマイナー・メジャー・ナインス・コードになります。
3~6弦を使ったmMa9コードのドロップ2ヴォイシング
2~5弦を使ったmMa9コードのドロップ2ヴォイシング
1~4弦を使ったmMa9コードのドロップ2ヴォイシング
mMa9をII-V-IのIコードで使った例
m7(b5) (R-b3-b5-b7)
m7コードの5thをb5thにするとマイナー・セブンス・フラット・ファイブ・コードになります。
3~6弦を使ったm7(b5)コードのドロップ2ヴォイシング
2~5弦を使ったm7(b5)コードのドロップ2ヴォイシング
1~4弦を使ったm7(b5)コードのドロップ2ヴォイシング
m7(b5)をII-V-IのIIコードで使った例
m7(b5,11) (R-11-b5-b7)
m7(b5)コードのb3rdを11thに変えるとマイナー・セブンス・フラット・ファイブ・イレブンス・コードになります。
m6(9)のコードフォームを短3度上げたものと同じになるのが特徴です。
3~6弦を使ったm7(b5,11)コードのドロップ2ヴォイシング
2~5弦を使ったm7(b5,11)コードのドロップ2ヴォイシング
1~4弦を使ったm7(b5,11)コードのドロップ2ヴォイシング
m7(b5,11)をII-V-IのIIコードで使った例
m9(b5) (9-b3-b5-b7)
m7(b5)コードのルートを9thにするとマイナー・ナインス・フラット・ファイブ・コードになります。
b3rdをルートとするmMa7コードと同じフォームです(Dm9(b5)=FmMa7)。
3~6弦を使ったm9(b5)コードのドロップ2ヴォイシング
2~5弦を使ったm9(b5)コードのドロップ2ヴォイシング
1~4弦を使ったm9(b5)コードのドロップ2ヴォイシング
m9(b5)をII-V-IのIIコードで使った例
m7(#5) (R-b3-#5-b7)
m7コードの5thを#5thにするとマイナー・セブンス・シャープ・ファイブ・コードになります。
3~6弦を使ったm7(#5)コードのドロップ2ヴォイシング
2~5弦を使ったm7(#5)コードのドロップ2ヴォイシング
1~4弦を使ったm7(#5)コードのドロップ2ヴォイシング
m7(#5)コードはIコードとしてではなく、Vm7/Iとして使います。Cマイナーキーの場合、Gm7(#5)/Cになります。
m7(#5)をII-V-IのIコードで使った例
Gm7(#5)の構成音はCをルートとしてみると、5th、b3rd、11th、b7th。そのためGm7(#5)=Cm7(11)と考えることもできます。
まとめ
ここではルートを9thに変化、5thを11thまたは#5thに変化させる方法を使ってマイナードロップ2ヴォイシング紹介しました。
コードフォームを覚えるステップは次の4つ
- m7の度数を完全に覚える
- 度数を変化させる
- 作ったコードはコード進行に合わせて響きを確認する
- カッコいいと思ったものだけ覚える
このステップを意識しながら自分だけのドロップ2ヴォイシング一覧を作ってみてください。
コンピングや作曲のアイデアに役立つはずです。
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