1937年、Richard RodgersがミュージカルI’d Rather Be Rightのために書いた曲がHave You Met Miss Jonesです。
残念ながらミュージカルの音源は残っていませんが、1937年に録音された音源があります。
ここでは最初の録音から1965年までの名演のコード進行を書き出し、時代と共にどのように変化していったかを探っていきます。
Leo Reisman And His Orchestra 1937年10月
Have You Met Miss Jonesを最初に録音したのがLeo Reisman。
イントロ、インスト、ボカール入りのバースからテーマ、そしてインストに戻って終わります。
Benny Goodman 1937-38年
正確な日時が不明なライブ音源。コード進行こそ違いますが、テーマ+テーマのコード進行でアドリブという構成が完成されています。
George Shearing 1947年
ジョージ・シアリングの録音はキーがF、テーマのコード進行でアドリブする構成など、現在ジャムセッションで演奏される原型になっています。
唯一違うのがAセクションの5小節目。現在はAmで演奏することが多いですがFになっています。
Red Norvo 1950年
ビブラホン奏者レッド・ノーヴォの録音。タル・ファーロウがギターで参加しています。
コード進行で特徴的なのが2小節目のAb7。原曲はF#dim7ですが、F#dim7をD7(b9)/F#ととらえ、D7の裏コードのAb7にリハモしています。
Stan Getz 1953年
Red Norvoと同じく[A]2小節目をF#dim7からリハモしていますが、Ab7ではなく表コードのD7。さらにAm7(b5)-D7のII-Vにリハモしています。
ソロ終わりD.S.[A]はドラムとの4バース。後テーマは[B]からになります。
Tal Farlow 1954年
[A]1〜2小節目をF-Bb7-Am7-D7にリハモ、[A”]では4小節追加してリズムアレンジしているのが特徴です。
Ella Fitzgerald 1956年
原曲の構成とコード進行はそのままに、スローバラードに仕上げたアレンジ。エラの歌声はまさに美の極致で一度聴いたら忘れられない魅力があります。
Louis Armstrong 1957年
構成は原曲と同じくヴァースからテーマですが、[A’]5~6小節目のリズムアレンジやソロセクションでの転調など、原曲とは違うカッコよさ満載の名演です。
Mccoy Tyner 1963年
[A]7、8小節目のII-Vの連続と、エンディングでのペダルポイントが特徴的です。
マッコイのピアノは聴き取りやすく、ギタリスにとって弾きやすい4度ボイシングを多く使うので、最初にコピーするピアニストとしてもおすすめです。
Chet Baker 1965年
[A]2小節目をD7、リピート後の[A]5~6小節目をFのみにリハモしているのが特徴。エンディングはIII-VI-II-Vを繰り返す王度パターンです。
❇︎[Intro]5小節目のC-q4はjazzguitarstyle.com独自のコードネームです。CmのCから4度積みする4和音を意味しています。
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