ジャズのスタンダードナンバーHow High the Moon。作曲はMorgan Lewis。1940年のミュージカルTwo for the Showで使われました。そのときのボーカルはAlfred DrakeとFrances Comstock。残念ながら音源は残っていません。
ここでは最初にスタジオ録音された1940年のバージョンから、1968年までの代表的な演奏をピックアップして、そのコード進行を見ていきます。
さあ、一緒にHow High the Moonの魅力に迫ってみましょう!
Benny Goodman 1940年2月
How High the Moonの最初のスタジオ録音は、なんとミュージカルの初演よりも前に行われました。その録音者がスウィング時代の王者と呼ばれたクラリネット奏者、ベニー・グッドマン。
Key=Cメジャーから始まり、ボーカルのHelen Forrestが入るとEbメジャーに転調。エンディングはDメジャーに転調しています。
Charlie Parker 1948年
このコード進行は、現在のジャムセッションで使われるコード進行のもとになっています。
原曲と比べて大きく違うのは[B]6〜8小節目。II-VとIII-VI-II-Vにリハモされています。
1949年
このバージョンでは[B]6〜8小節目がVI-II-Vになっています。以降このコード進行が主流になります。
[B]、[B’]1小節目、ソロセクションではEb7になります。
Sarah Vaughan 1955年
イントロはI-VI-II-V。テーマ部分はチャーリー・パーカー1949年と同じですが、Bセクション4小節目がII-Vになっています。
Sonny Rollins 1958年10月
サックス、ギター、ベースのトリオ演奏。ギターはバーニー・ケッセルです。
コード進行はチャーリー・パーカー1949年とほぼ同じですが、[B’]6小節目をEbMa7-Ab7にしているのが特徴です。
Chet Baker 1958年12月
チャーリー・パーカー1949年のコード進行とほとんど同じですが、[B’]の4小節目のみ、ピアノがC#m7(b5)-Cm6になっています。
ベースラインはCm7-F7を想定しているので、リハモではなくハーモニーを重ねるスーパーインポーズです。
Bud Powell 1963年
チャーリー・パーカー1949年と同じコード進行です。
後テーマではチャーリー・パーカー作曲のOrnithologyになっています(OrnithologyはHow High The Moonのコード進行をもとにした曲です)。
Sonny Stitt 1968年
ソニー・スティットの演奏もチャーリー・パーカー1949年と同じコード進行になっています。
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