ジャズフレーズ・リックはそれ自体を覚えることと、曲に合わせて使えるようになることが大切です。
ここではリックの効率的な覚え方と、1625が多く出てくるリズムチェンジのコード進行を使った覚え方を紹介していきます。
コードフォームとコードトーンに関連させて覚える
まずはリズムチェンジに欠かせない1625で使えるジャズフレーズ・リックの中から「かっこいい!」と思ったリックを1つ選んでください。
ここではポジション3のリック4を使っていきます。
ポジション3リック4
リックを選んだらそのポジション内で弾けるコードフォームを覚えます。
リックでテンション音が使われている場合は、テンションを含んだコードフォームも覚えます。
コードフォームをイメージしたらそれに合わせてコードトーンを弾いていきます。この練習はコードの響きを覚えるのに最適です。
テンション付きのコードトーンはジャズらしい響きを身につけるのに最適です。
コードとコードトーンを弾くのに慣れたら、コードとリックを弾いていきます。この練習はリックとコードフォームを関連させて覚えこませることができます。
基本のコードとリック
テンションコードとリック
このように、コードやコードトーンと関連付けてリックを覚えていくことで、ネック上をより深く理解できるようにもなります。
リックの各小節を組み合わせる
紹介しているリック同士を自由に組み合わせることで、オリジナルのリックを作ることもできます。例えば、ポジション3リック5とリック4を組み合わせると次のようになります。
リック5+リック4
もちろん別のポジションのリックと組み合わせて、横移動するリックを作ることできます。ポジション3リック4とポジション4リック3を組み合わせてみます。
ポジション3リック4+ポジション4リック3
カッコいいと思ったリックを組み合わせてオリジナルのリックを作ってみてください。
リズムチェンジの1〜2小節目でリックを使う練習
I-VI-II-V(1625)はII-V-I(251)同様いろいろなスタンダードで使われていますが、特に多く出てくるのがリズムチェンジです。
リズムチェンジについてはリズムチェンジのコード進行とバリエーション、作曲者別曲紹介で詳しく紹介しています。
練習用カラオケ
ここではポジション3のリック4をカラオケに合わせて弾いてみましょう。この練習はリックを曲の中で使えるようにするための第一歩です。リックを弾かない休符部分でも体でカウントを取っておくことが大切です。
カラオケに合わせてリックを弾く練習
リックを練習するときは歌いながら弾くのがおすすめです。歌うことで自分の中にリックが吸収されやすくなります。
カラオケに合わせて弾けるようになってきたら、リックの前後2小節をアドリブしてみましょう。
ここではコード進行の流れとインサイドの音使いを身につけるためにコードトーンを使います。
リックの前後に2分音符でコードトーンを弾く練習
1、3拍目の音はターゲットノートと呼ばれ、アドリブの土台にもなります。
今弾いたターゲットノートに向かって音を増やすイメージで4分音符を加えてみましょう。
リックの前後に4分音符でコードトーンを弾く練習
コードトーンはどの音を使っても構いません。自分の好きな響きのするコードトーンを見つけるのも良いイヤートレーニングになります。
コードトーンのアドリブに慣れてきたらリズムを変えてみましょう。
リックの前後のコードトーンのリズムを変えて弾く練習
リズムアレンジに欠かせないのが休符と3連符です。この2つをどう使うとカッコよくなるかを意識しながら演奏してみてください。
リズムチェンジの3〜4小節目でリックを使う練習
同じリックを使ってもいいのですが、折角なので新しいリックを使って練習していきます。手順は同じです。
- 弾きたいリックを選ぶ(ここではポジション4のリック5)
- カラオケに合わせて弾く
- 前後にアドリブでコードトーンを加える
- コードトーンのリズムを変える
カラオケに合わせてリックを弾く練習
リックの前後に2分音符でコードトーンを弾く練習
リックの前後に4分音符でコードトーンを弾く練習
リックの前後のコードトーンのリズムを変えて弾く練習
リズムチェンジの7〜8小節目でリックを使う練習
新しいリックをもう1つ選んで練習していきましょう。ここではポジション4のリック3を使います。
リックの前後に2分音符でコードトーンを弾く練習
リックの前後に4分音符でコードトーンを弾く練習
リックの前後のコードトーンのリズムを変えて弾く練習
リズムチェンジのコード進行を使って3つのリックを弾いてきました。
リックを弾くことと前後にコードトーンでアドリブすることに慣れたら3つのリックを同時に使ってみましょう。
リズムチェンジで3つのリックを使った練習
3つのリックをつなげた例
前後のつながりを良くするため、3小節目はポジションと指使いを変えています。慣れてきたら5、6小節目をコードトーンでアドリブしてみましょう。
5、6小節目をコードトーンでアドリブした例
リックを弾く練習はジャズらしい音使いを身につけることができる最高のイヤートレーニングです。
カッコいいと思ったリックをたくさん覚えることで、ジャズらしい響きが蓄えられていきます。
アドリブ中に自然とジャズらしい響きが鳴るまでには時間がかかりますが、リックの練習はその土台作りに役立つので、ぜひ日々の練習に取り入れてみてください。
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