ジャズフレーズ

1625(I-VI-II-V)ジャズフレーズ・リックを効率的に覚える練習法

ジャズフレーズ・リックはそれ自体を覚えることと、曲に合わせて使えるようになることが大切です。

ここではリックの効率的な覚え方と、1625が多く出てくるリズムチェンジのコード進行を使った覚え方を紹介していきます。

コードフォームとコードトーンに関連させて覚える

まずはリズムチェンジに欠かせない1625で使えるジャズフレーズ・リックの中から「かっこいい!」と思ったリックを1つ選んでください。

ここではポジション3のリック4を使っていきます。

ポジション3リック4

ポジション3で弾く1625フレーズ・リック4楽譜

リックを選んだらそのポジション内で弾けるコードフォームを覚えます。

BbMa7
BbMa7 6弦ルートコードダイアグラム
G7
G7 6弦ルートコードダイアグラム
Cm7
Cm7 5弦ルートコードダイアグラム
F7
F7 4弦ルートコードダイアグラム

 

リックでテンション音が使われている場合は、テンションを含んだコードフォームも覚えます。

G7(#9,b13)
G7(#9,b13) 6弦ルートコードダイアグラム
Cm9
Cm9 5弦ルートコードダイアグラム
F7sus4
F7sus4 4弦ルートコードダイアグラム

 

コードフォームをイメージしたらそれに合わせてコードトーンを弾いていきます。この練習はコードの響きを覚えるのに最適です。

BbMa7
BbMa7 4弦ルート コードトーンダイアグラム
G7
G7 5弦ルートコードトーンダイアグラム
Cm7
Cm7 6弦ルートコードトーンダイアグラム
F7
F7 5弦ルート コードトーンダイアグラム

 

テンション付きのコードトーンはジャズらしい響きを身につけるのに最適です。

BbMa7
BbMa7 4弦ルート コードトーンダイアグラム
G7(#9,b13)
G7(#9,b13) 6弦ルートコードダイアグラム
Cm9
Cm9 5弦ルートコードダイアグラム
F7sus4
F7sus4 4弦ルートコードダイアグラム

 

コードとコードトーンを弾くのに慣れたら、コードとリックを弾いていきます。この練習はリックとコードフォームを関連させて覚えこませることができます。

基本のコードとリック

テンションコードとリック

このように、コードやコードトーンと関連付けてリックを覚えていくことで、ネック上をより深く理解できるようにもなります。

リックの各小節を組み合わせる

紹介しているリック同士を自由に組み合わせることで、オリジナルのリックを作ることもできます。例えば、ポジション3リック5とリック4を組み合わせると次のようになります。

リック5+リック4

ポジション3リック5+4

もちろん別のポジションのリックと組み合わせて、横移動するリックを作ることできます。ポジション3リック4とポジション4リック3を組み合わせてみます。

ポジション3リック4+ポジション4リック3

ポジション4リック5+ポジション5リック3

カッコいいと思ったリックを組み合わせてオリジナルのリックを作ってみてください。

リズムチェンジの1〜2小節目でリックを使う練習

I-VI-II-V(1625)はII-V-I(251)同様いろいろなスタンダードで使われていますが、特に多く出てくるのがリズムチェンジです。

リズムチェンジについてはリズムチェンジのコード進行とバリエーション、作曲者別曲紹介で詳しく紹介しています。

練習用カラオケ

リズムチェンジ1-8小節目

ここではポジション3のリック4をカラオケに合わせて弾いてみましょう。この練習はリックを曲の中で使えるようにするための第一歩です。リックを弾かない休符部分でも体でカウントを取っておくことが大切です。

カラオケに合わせてリックを弾く練習

BbメジャーI-VI-II-Vポジション3リック4をカラオケに合わせて弾く練習楽譜

リックを練習するときは歌いながら弾くのがおすすめです。歌うことで自分の中にリックが吸収されやすくなります。

カラオケに合わせて弾けるようになってきたら、リックの前後2小節をアドリブしてみましょう。
ここではコード進行の流れとインサイドの音使いを身につけるためにコードトーンを使います。

リックの前後に2分音符でコードトーンを弾く練習

BbメジャーI-VI-II-Vポジション3リック4の前後にコードトーンの2分音符を追加する練習楽譜

1、3拍目の音はターゲットノートと呼ばれ、アドリブの土台にもなります。
今弾いたターゲットノートに向かって音を増やすイメージで4分音符を加えてみましょう。

リックの前後に4分音符でコードトーンを弾く練習

BbメジャーI-VI-II-Vポジション3リック4の前後にコードトーンの4分音符を追加する練習楽譜
コードトーンはどの音を使っても構いません。自分の好きな響きのするコードトーンを見つけるのも良いイヤートレーニングになります。
コードトーンのアドリブに慣れてきたらリズムを変えてみましょう。

リックの前後のコードトーンのリズムを変えて弾く練習

BbメジャーI-VI-II-Vポジション3リック4の前後のコードトーンのリズムを変えて弾く練習楽譜

リズムアレンジに欠かせないのが休符と3連符です。この2つをどう使うとカッコよくなるかを意識しながら演奏してみてください。

リズムチェンジの3〜4小節目でリックを使う練習

同じリックを使ってもいいのですが、折角なので新しいリックを使って練習していきます。手順は同じです。

  1. 弾きたいリックを選ぶ(ここではポジション4のリック5)
  2. カラオケに合わせて弾く
  3. 前後にアドリブでコードトーンを加える
  4. コードトーンのリズムを変える

カラオケに合わせてリックを弾く練習

BbメジャーI-VI-II-Vポジション4リック5をカラオケに合わせて使う練習楽譜

リックの前後に2分音符でコードトーンを弾く練習

BbメジャーI-VI-II-Vポジション4リック5の前後にコードトーンの2分音符を追加する練習楽譜

リックの前後に4分音符でコードトーンを弾く練習

BbメジャーI-VI-II-Vポジション4リック5の前後にコードトーンの4分音符を追加する練習楽譜

リックの前後のコードトーンのリズムを変えて弾く練習


BbメジャーI-VI-II-Vポジション4リック5の前後のコードトーンのリズムを変えて弾く練習楽譜

リズムチェンジの7〜8小節目でリックを使う練習

新しいリックをもう1つ選んで練習していきましょう。ここではポジション4のリック3を使います。

BbメジャーI-VI-II-Vポジション4リック3をカラオケに合わせて使う練習楽譜

リックの前後に2分音符でコードトーンを弾く練習

BbメジャーI-VI-II-Vポジション4リック3の前後にコードトーンの2分音符を追加する練習楽譜

リックの前後に4分音符でコードトーンを弾く練習

BbメジャーI-VI-II-Vポジション4リック3の前後にコードトーンの4分音符を追加する練習楽譜

リックの前後のコードトーンのリズムを変えて弾く練習

BbメジャーI-VI-II-Vポジション4リック3の前後のコードトーンのリズムを変えて弾く練習楽譜

リズムチェンジのコード進行を使って3つのリックを弾いてきました。
リックを弾くことと前後にコードトーンでアドリブすることに慣れたら3つのリックを同時に使ってみましょう。

リズムチェンジで3つのリックを使った練習

3つのリックをつなげた例

BbメジャーI-VI-II-Vリックをカラオケに合わせて使う練習楽譜

前後のつながりを良くするため、3小節目はポジションと指使いを変えています。慣れてきたら5、6小節目をコードトーンでアドリブしてみましょう。

5、6小節目をコードトーンでアドリブした例

BbメジャーI-VI-II-Vリックの前後をコードトーンでアドリブした例楽譜

リックを弾く練習はジャズらしい音使いを身につけることができる最高のイヤートレーニングです。

カッコいいと思ったリックをたくさん覚えることで、ジャズらしい響きが蓄えられていきます。

アドリブ中に自然とジャズらしい響きが鳴るまでには時間がかかりますが、リックの練習はその土台作りに役立つので、ぜひ日々の練習に取り入れてみてください。

この記事へのコメント

タイトルとURLをコピーしました