Jim HallのWithout a Songが聴けるのはSonny Rollinsのアルバム『The Bridge』の1曲目。
サックス、ギター、ベース、ドラムのカルテット編成なので、テーマはもちろん、サックスソロ、ベースソロでもジム・ホールの洗練されたコンピングを満喫できます。
アドリブでは1コーラス目の終わりから2コーラス目のAセクションまでコードソロ。ジム・ホールのボイシングの研究にも最適です。
音源を聴きながら楽譜を追ってみてください。
前テーマメロディ




サックスソロのコンピング
ジム・ホールのコンピングは指弾きではなく、全てピックを使ったピッキングです。
1コーラス目





2コーラス目





ベースソロのコンピング





ジム・ホールのアドリブ
コードネームはベースラインからではなく、ジム・ホールの演奏から想定しています。
1コーラス目





2コーラス目





後テーマ前のルバートセクション
ジム・ホールのアドリブ後、テーマに入る前にテンポルバートのセクションが入ります。

後テーマメロディ
6:33秒からの後テーマはAセクション1回のみ。最後はフリーテンポです。


アドリブセクションのコード進行と分析
10小節目のGm7 C7-Fm7のコード進行、ジムホールはGbm7-Fm7の半音進行も使っています。


V7の代理としてのdim7
1カッコ、2カッコで出てくるAdimはそれぞれV7の代理です。
Adim7の構成音はCdim7、Ebdim7、Gbdim7と同じ。
Adim7の6弦ルートのコードフォームはA音をベースにしたD7(b9)と同じ。
=
=
同様にCdim7の6弦ルートフォームは=F7(b9)、Ebdim7はAb7(b9)、Gbdim7はB7(b9)。つまりAdim7はD7、F7、Ab7、B7の代理になります。
Adim7からGm7への進行はAdim7をD7の代理と捉えたV-I。Adim7からBbm7へはAdim7をF7の代理と捉えたV-Iです。
アルバム「The Bridge」
全曲でジム・ホールの洗練されたコンピングとアドリブが楽しめるおすすめのアルバムです。
- Without a Song” (Edward Eliscu, Billy Rose, Vincent Youmans) – 7:26
- Where Are You?” (Harold Adamson, Jimmy McHugh) – 5:10
- John S.” (Sonny Rollins) – 7:46
- The Bridge” (Sonny Rollins) – 5:59
- God Bless the Child” (Arthur Herzog Jr., Billie Holiday) – 7:27
- You Do Something to Me” (Cole Porter) – 6:51
ジム・ホールは『The Bridge』以外に、アルバム『What’s New?』と『The Standard』にも参加しています。

Sonny Rollins – tenor saxophone
Jim Hall – guitar (tracks 1, 4 , 5)
Bob Cranshaw – bass
Ben Riley – drums (tracks 1, 4 ,5)
Denis Charles, Frank Charles, Willie Rodriguez – percussion (tracks 1, 4 , 5)
Candido – percussion (tracks 2 , 3)

Sonny Rollins – tenor saxophone
Herbie Hancock – piano (tracks 4, 6, 9 , 11-13)
Jim Hall – guitar (tracks 3, 6, 8, 10 , 13)
David Izenzon – bass (tracks 6 , 13)
Teddy Smith – bass (tracks 6 , 13)
Bob Cranshaw – bass (tracks 1-5 , 7-12)
Stu Martin – drums (tracks 6 , 13)
Mickey Roker – drums (tracks 1-5 , 7-12)
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