Johnny Smithのアルバム「Moonlight in Vermont」からジェローム・カーン作曲のYesterdaysをタブ譜付きギタースコアにしました。
YesterdaysはA(16小節)A’(16小節)フォーム32小節の曲ですが、ジョニー・スミスのバージョンではA(16小節)のみを使い、テーマ – サックスソロ – ギターソロになっています。
テーマはクローズヴォイシングを使ったコードメロディ。ストレッチフォームが多用されています。
アドリブはシングルラインとホールトーンスケールの和音を使ったモチーフが特徴的です。
楽譜と合わせながら音源を聴いてみてください。
イントロ
イントロはピアノのみの2小節。A7-D7(Ab7)-G7-C7(Gb7)を想定したボイシングです。
テーマ
テーマはジョニー・スミスのコードメロディ。ドロップDチューニングですが、テーマでは6弦は使いません。
サックスソロのコンピング
テーマのクローズボイシングとは違い、一般的なギターのコードフォームや3度と7度を中心にしたボイシングを使っています。
アドリブ〜エンディング
アドリブからそのままエンディングへ。最後の小節「Ddim7-Dm6」で6弦ドロップDが出てきます。
ジョニー・スミスのクローズボイシング
テーマで使用しているクローズボイシングの中から特徴的なものをダイアグラムにしました。
マイナーコード
9th、11th、13th(6th)のテンションが入るm13のフォーム
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11thが最低音にくるm11フォーム。
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ドミナント
b7thのオクターブが含まれる7(#11)。
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#9thがトップにくる7(#9)。
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9thがトップにくる9コード。
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メジャー
9thがトップにくるMa9コード。9コードのb7thを7thにしたフォームです。
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アルバム「Moonlight in Vermont」
1952年〜1953年の間に録音された曲が入っているアルバム。
もともとは12曲入りでしたが、CDリイシュー盤では全19曲入りに。配信では16曲入りが主流になっています。
- Where or When (Richard Rodgers, Lorenz Hart)
- Tabú (Margarita Lecuona, Bob Russell, Al Stillman)
- Moonlight in Vermont (John Blackburn, Karl Suessdorf)
- Jaguar (Smith)
- Stars Fell on Alabama (Mitchell Parish, Frank Perkins)
- Tenderly (Walter Gross, Jack Lawrence)
- I Don’t Stand a Ghost of a Chance with You (Bing Crosby, Ned Washington, Victor Young)
- Vilia (Franz Lehár)
- Cavu (Smith)
- I’ll Be Around (Alec Wilder)
- Yesterdays (Otto Harbach, Jerome Kern)
- Cherokee (Ray Noble)
- Sometimes I’m Happy (Sometimes I’m Blue) (Irving Caesar, Clifford Grey, Vincent Youmans)
- Nice Work If You Can Get It (George Gershwin, Ira Gershwin)
- Jaguar (alternate take) (Smith)
- My Funny Valentine (Rodgers, Hart)
この記事へのコメント
はじめまして。
ジョニースミスの大ファンです。
これほどジョニースミスのコードなどについて詳しく書いてあるブログは、
日本ではこれが初めてではないかと思います。
日本では名前は知っていても演奏を知られない、
隠れた名手を取り上げていただいて、
心より感謝を申し上げます。
おまけです。
はじめまして。コメントありがとうございます。
ジョニースミスいいですよね。
なぜか日本ではあまり取り上げられないですが、まさに名手。
今後も取り上げていこうと思っています。
リンクありがとうございます!詳細なキャリア興味深かったです!
スミスが質屋さんだったとは
ウエスが工場労働で夜勤しながら演奏活動した話もとても人間的で好きですが ジャズマンはいつの時代もそんなお金持ちはいないのが好きです。ありがとうございます