Jonathan Kreisbergが【”Capturing Spirits” Japan Tour 2020】のファイナル公演を、2月29日新宿PIT INNにて開催した。メンバーはJonathan Kreisberg(g)、Matt Clohesy(b)、Colin Stranahan(d)、Marko Churnchetz(p)。
写真提供:AMSA Records
ニューヨークはもちろんヨーロッパツアーなどで多くのステージをこなし、自らの音楽を極限まで高めてきたJonathan Kreisberg。ツアー直前にピアニストのMartin Bejeranoが来日できなくなり、急遽Marko Churnchetzが代役を務めることになったものの、極上のサウンドを我々に届けてくれた。
Jonathan Kreisbergが自身のバンドを率いて新宿PIT INNでライブを行うのは、2009年9月10日のトリオ以来11年ぶりとなった。
セットリスト
【1stセット】
1:Relativity
2:Trust Fall
3:Prelude to a kiss(Duke Ellington)
4:Until You Know
【2ndセット】
1:Pinocchio(Wayne Shorter)
2:Known You Before
3:The Lift
4:Everything Needs Something
【アンコール】
5:Fee-Fi-Fo-Fum(Wayne Shorter)
観客を魅了した1stセット
ライブ開催も危ぶまれる状況にも関わらず立ち見もでるほどの大盛況の中、「ここには東京でもっとも勇敢な人たちが集まっている」というJonathanのMCで盛り上がる会場。
オープニングナンバーはRelativity(最新アルバム”Capturing Spirits – JKQ Live!”4曲目に収録)。ピアノの特徴的なリズムからはじまり、ギターで高音メロディと低音リフを弾き分けるAセクションと、メロディアスなBセクションからなる楽曲だ。
2曲目のTrust Fallはスウィンギーなナンバー。同じく最新アルバム”Capturing Spirits – JKQ Live!”からの選曲。メロディをフェイクしながらソロを展開させ、アルペジオパターンで盛り上げる、これぞJonathanというソロ。
ここで一旦Markoが抜けトリオ編成に。
3曲目はDuke EllingtonのPrelude to a kiss(Jonathan Kreisbergが2009年に発売したアルバム”Night Songs”に収録)。Jonathanのソロに続いてMattがフューチャーされ、歌心のある美しい旋律が印象的なベースソロで観客を魅了した。
1stセットの最後はアルバム”Wave Upon Wave”に収録されているUntil You Know。アルバムと同じようにイントロではドラムのグルーヴの上でPOGを使ったシンセサウンドで雰囲気を作り、テーマでベースとピアノが加わるアレンジで披露された。
Markoのアドリブ中はコンピングせず、ときおり笑顔をみせながら演奏に聴き入っていたJonathanが印象的だった。エンディングではもともとの7拍子をタイムモージュレーションさせたシャッフルブルースを取り入れ会場を大いに沸かせた。
会場が一体となった2ndセット
2ndセットのオープニンングはウェインショーター作曲のPinocchio。Jonathanが得意とする5音モチーフを使ったイントロからメロディに入るアレンジが最高にカッコいい。アドリブはMarko、Jonathanの順。そしてColinがエモーショナルなプレイでこの日一番のドラムソロを披露した。
2曲目のKnown You Before(最新アルバム”Capturing Spirits – JKQ Live!”5曲目に収録)はギターのアルペジオからはじまるしっとりとした楽曲。ヒートアップした会場に美しい旋律で穏やかな空気を送り込む。
そして最新アルバムの1曲目を飾っているThe Lift。9拍子のリフが絶妙なノリを醸し出すアップテンポのナンバーで会場はまたもやヒートアップ。それに呼応するようにJonathanの熱いソロが繰り広げられた。
4曲目のEverything Needs Something(最新アルバム”Capturing Spirits – JKQ Live!”3曲目に収録)では再度ベースのMattをフューチャー。美しく歌い上げるベースソロにJonathanのコンピングが絡み合う。JonathanのソロではPOGを使ったシンセ音色が特徴的だった。
ここで本編は終了。
盛大な拍手で迎えられたアンコールはWayne Shorterの名曲”Fee-Fi-Fo-Fum”。ここでのMarkoのソロは圧巻。Jonathanもステージ上で思わず笑みを浮かべてしまうほど。会場を思う存分沸かせ、大団円でライブが終了した。
終始MCで「 この状況のなか来てくれてありがとう」と言っていたのが印象的だった。
コロナの影響でライブ開催の賛否、ライブに行くことへの賛否などもあるなか、ミュージシャンとオーディエンスがお互いに影響を与え合い、一体感につつまれ感動の空間を作り上げていた。
次の来日時にはぜひ足を運んでこのライブを体感してみて欲しい。
Jonathan Kreisbergの使用機材
ギターはトレードマークのGibson175。
ペダル
ペダルボード
アンプ
フェンダーデラックスリバーブ
JC120
ケーブルは「High」挿し。
◎公演情報
【Jonathan Kreisberg Quartet “Capturing Spirits” Japan Tour 2020】
2020年2月28日(金)29日(土)
新宿PIT INN
〈セットリスト〉
1st
1:Relativity
2:Trust Fall
3:Prelude to a kiss(Duke Ellington)
4:Until You Know
2nd
1:Pinocchio(Wayne Shorter)
2:Known You Before
3:The Lift
4:Everything Needs Something
アンコール
5:Fee-Fi-Fo-Fum(Wayne Shorter)
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