Josh Smithのプレイの特徴は、ブルースギタリストでありながらジャズの要素を絶妙に取り入れていることです。TrueFireのレッスン動画ではどうやってブルースにジャズを取り入れているのか、その秘密の一端が分かる内容になっています。
ジョシュがジャズを取り入れるためにやったことは次の2つ。
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- コードを縦で見る(基礎知識)
- コードを横のつながりで見る(ジャズの要素)
難しいスケールを覚えることでも、ジャズリックを覚えることでもなく、ジャズの考え方を取り入れるという手法です。
ぜひ動画で確認してみてください。
ジョシュ・スミスがジャズを取り入れたワケ
「6歳からギターを始めて13、14歳ごろにはブルースギタリストとして活動していたんだ。でもジョン・スコフィールド、ロベン・フォード、ラリー・カールトン、ウェス・モンゴメリーや、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーン、マイルス・デイビス、ディジー・ガレスピーの演奏を聴いて、自分の演奏にも取り入れたいと思ったんだ。」
ジョシュはペンタトニックスケールだけの演奏から抜け出すための方法として2つの要素を紹介しています。
ペンタトニックスケールから脱却する2つの方法
ジョシュ自身が取り組んだ方法が次の2つ。
1.各コードで使えるスケールを知り尽くす
「コード上でどんなスケールが使えるかを理解すること。そのためにはサークルオブ5thやコード進行分析など基礎的な理論もしっかりと覚えるんだ。」
「簡単な例をあげると、ブルースならA7でAマイナーペンタトニックスケールが使えるといったように。」
1:47~
2.コードの横のつながりを意識する
「コード同士のつながりを意識して演奏すること。これはジャズの要でもある。ジャズを取り入れるために重要なのはコードを横で見ること。つまり、コードからコードへどうやって自然に、流れるように演奏できるようにするかなんだ。」
ジョシュはコード同士をつなげるための3つの方法を紹介しています。
クロマチック
クロマチックはコードとコードをクロマチックでつなぐ方法のこと。
半音アプローチ(3:15~)
クロマチックで上昇(3:21~)
全音上からのアプローチ(3:23~)
半音アプローチをソロに応用(3:28~)
コンピングにC#7を取り入れた例(3:39~)
アドリブにEb7を使った例(4:01~)
Eb7はD7へのアプローチとして使いますが、ここでの演奏例はD7のフレーズを弾いていないので、Eb7をA7の裏コードとして捉えていると考えることもできます。
コンピングに半音アプローチを使った例(4:10~)
ディミニッシュ
ディミッシュは緊張感を出すために使えるコードです(動画ではディミニッシュとオーギュメントと紹介しています)。
Aブルースで使えるEbdim7(4:29~)
D7からA7に進むときに入れるEbdim7(4:43~)
Ebdim7を想定したアドリブ例(4:49~)
II-V-Iターンアラウンド
「もっとも重要なのがII-V-Iを使ったターンアラウンド。ジャズでよく使われるコード進行で、これをブルースに応用するとジャズらしい演奏ができるようになるんだ。」
「例えばAからDに進む進行のとき、Dに対するII-Vを加えることができる。」
Dに対するII-Vを加えた例(5:52~)
アドリブに応用した例(6:11~)
6:23~
「II-V-Iはどこにでも入れることができるんだ。」
II-V-Iを取り入れたアドリブ例(6:33~)
「こうやってブルースで出てくる3つのコードそれぞれに対してII-V-Iを取り入れて演奏すると、コード同士のつながりを意識することができる。
- クロマチック
- ディミニッシュ
- II-V-I
この3つはペンタトニックスケールだけの演奏から抜け出し、ジャズの要素を取り入れることができるんだ。」
Blue Highways
TrueFireで販売されているジョシュ・スミスの「Blue Highways」は彼の演奏に対する考え方が学べる貴重な動画です。
製品版ではここで紹介した考え方を活かした多くの実例や、メロディックマイナースケールを使った高度な演奏例なども紹介されています。日本語字幕はありませんが、ジョシュの演奏アイデアが学べるおすすめの動画です。
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