Lina RisingはJonathan KreisbergとNelson Verasのアルバム「Kreisberg Meets Veras」の1曲目に収録されています。
作曲はJonathan Kreisberg。A(20小節)B(19小節)フォームの曲です。Bセクションはテーマ時のみ4分の3拍子になる箇所があります(アドリブ時は4分の4拍子)。
楽譜は上段がJonathan Kreisberg、下段がNelson Verasです。YouTubeにレコーディング映像が公開されているので、ぜひ完コピに挑戦してみてください。
前テーマメロディ
前テーマはA-B-A-Bフォーム(A-Bをリピート)です。
2回目の前テーマ
Jonathan Kreisbergアドリブ
1分40秒からはじまるジョナサン・クライスバーグのアドリブ。思わずコピーしたくなるフレーズが満載です。
1コーラス目
2コーラス目
Nelson Verasアドリブ
3分18秒からはじまるネルソン・ヴェラスのアドリブ。YouTubeの映像は画面が切り替わる3分22秒まで音とずれていますが、楽譜は音を優先して記譜しています。5連符、7連符をあたりまえのように使う独特なフレージングが特徴です。
1コーラス目
2コーラス目
3コーラス目
後テーマメロディ
後テーマは繰り返しなしのA-Bフォームです。
編集後記
Lina Risingの採譜に取り掛かったのが5月12日。
Kreisberg Meets Verasの1曲目、Lina Risingの楽譜を鋭意製作中。
テーマ時のみ4分の3拍子になっていることを今更ながら気づきました。 pic.twitter.com/sMEsK10CMY
— joey@ジャズギタースタイルマスター (@jazzguitarstyle) 2019年5月12日
このときは1週間くらいで完成と思っていたのですが、いつの間にか2週間弱。YouTubeに映像があるのにこんなにかかるとは。映像のない他の曲を採譜したらいったいどのくらいかかるのか想像しただけで恐ろしくなります。
Nelson Verasの譜割
楽譜にするにあたり、最後まで悩んだのがNelsonの3コーラス目のアドリブフレーズ。
5連符のままで弾き続けているように聞こえるのですが、それだと次にくる小節のアタマがずれてしまい、苦肉の策で2小節目を3連符にしました。
記譜法に関して
コンピングはボサノバスタイルなので、コードとベース音を分けて記譜しています。本来はすべての音符を実記するのですが、同じコードを弾くところはスラッシュ表記にしています。
従来の記譜
スラッシュを使った記譜
五線譜は慣れるまで違和感がありますが、タブ譜はスラッシュにした方が読みやすいのではと感じています。
アドリブセクションのコード進行
最後にアドリブセクションのコード進行と分析です。
コード進行分析と使えるスケール
使えるスケールはジョナサンの演奏をもとにしています。
Dm7-C#7などの2拍毎にコードが変わる箇所。ジョナサンはm7(ドリアン)を主体にしていますが、ネルソンは7(オルタード)を主体にフレージングしているように感じました。結局は1音しか違いませんが、どちらのコードを想定するかでフレーズの印象がずいぶん変わります。
- Dm7=Dドリアン
- C#7=C#オルタード=Dメロディックマイナー
DドリアンとDメロディックマイナーの違いはC音だけ。
アルバム「Kreisberg Meets Veras」
Finaleで楽譜を浄書している間、Kreisberg Meets Verasをずっと流していました。演奏はもちろんのこと選曲も秀逸だと思います。トラック1〜3がJonathan Kreisbergのオリジナル。4〜8はスタンダードです。
1.Lina Rising
2.Until you Know
3.Every Person is a Story
4.Bye-Ya
5.Milagre Dos Peixes
6.Goodbye Pork Pie Hat
7.Windows
8.Face On the Barroom Floor
スタンダードはどれもギタリスト好み。ぜひアルバムで2人の世界を味わってみてください。
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