譜面なしの状態でアドリブをとっているときに、その曲のコード進行を追いかけられず困っています。
何かいい練習方法などあれば教えていただきたいです。
イメージトレーニングがおすすめです
私がジャズをはじめたころは譜面を見ながらでもコード進行を追いかけられず、すぐロストしていました。
その状態を改善するためにやった練習が、ギターを弾いているイメージをすることです。
やり方は簡単です。
- 頭の中でその曲のコード進行を鳴らしながら、体でテンポをとりメロディを弾いているイメージをします。このとき押弦の圧やピッキングの強さなどなるべく正確にイメージしてみてください。
- テンポはゆっくりからはじめて、理想のテンポまで徐々に上げていきます。
- メロディを弾いている姿がイメージできたらアドリブも同じようにイメージします。
このイメージトレーニングをすると、実際にギターで弾くときもしっかりとコード進行を追いかけて演奏することができるようになります。
ロストする原因と改善法
ロストする原因を知っておくと改善するための練習も見つけやすくなります。
ロストの原因は大きく分けて4つあります
- メロディを覚えていない
- コード進行を覚えていない
- 小節感覚が身についていない
- 周りの音が聴こえなくなる
私はこの4つとも見事に陥りましたので、そのとき行った改善方法を紹介します。
1.メロディを歌う
お気に入りの曲のCDに合わせてメロディを歌います。歌うといっても完璧な音程で発声するのではなく、自分の中でCDのメロディと合っていれば鼻歌で構いません。
CDに合わせてメロディを歌うことは、同時にコード進行と小節感覚を覚えることにもなります。
歌えるようになったらギターでコードバッキングをしながら歌います。弾き語りの状態です。
このときメロディの音がコードに対して何度の音なのかも意識しておくとより深くメロディを覚えることができます。
2.コード進行を度数で考える
コード進行を覚えるのに役立つのが度数で覚える方法です。
次の2つの進行を比べてみてください。
度数を知らないとどちらも違った響きのするコード進行に見えますが、度数で置き換えるとどちらもII-V-Iになります。
つまりキーが違うだけでコード進行の響きは同じなのです。
ジャズスタンダードには似たようなコード進行が多くあるので、度数に置き換えることで効率よく覚えることができます。また同じ曲を転調させるときにも役立ちます。
3.小節感覚を身につける方法
ほとんどのジャズスタンダードは4小節の倍数でできているので、4、8、12、16小節の感覚を身につけるだけで、曲中でロストすることがなくなります。
私の場合、4小節は251、8小節はリズムチェンジのAセクション、12小節はブルース、16小節はBlue Bossa、酒バラのAセクションのバッキングを弾くことで身につけました。
テンポが速い曲は小節感覚が身についていないとロストしやすいので、BPM=300でも小節数を数えられることを目標に練習していました。
4.周りの音をよく聴く
アドリブをはじめたころは、次に使うスケールやリックのことを考えすぎて自分だけの世界に入ってしまいがちです。
練習のときはそれでも問題ないのですが、他の演奏者と合わせているときは自分の頭の中をリラックスさせた状態にしておくのが理想です。
まずは周りの音を聴いて、他の演奏者がどんな音を出しているかを聴けるように練習します。
これはCDを聴いているときに、アドリブ奏者だけでなく他の楽器がどんな演奏をしているのかを聴く練習をすることで身につけられます。
そして周りの音に対して自分はどんな音を出したいかを考えながら演奏していきます。
コード進行を見失わないために
コード進行を見失ってしまうのは上記の4つの原因とイメージトレーニング不足が考えられます。
ただ、できないからといってその1曲を完璧になるまで練習するよりは、ある程度たったら(2、3日取り組んだら)次の曲へ移ってレパートリーを増やしていくのがおすすめです。
1ヶ月1曲集中ではなく、1ヶ月10曲取り組むと最初にやった曲に戻ったとき「あれ?できるようになってる!」ということが起こります。
ぜひレパートリーを増やしながら改善に取り組んでみてください。
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