メジャースケールはドレミファソラシドの7音で構成され、ジャズで使うさまざまなスケールのもとになっている重要なスケールです。
スケールを覚えるとき、「効率的な覚えかたはあるの?」「どうやってアドリブに応用するの?」「どうすればジャズらしくなるの?」といった悩みが出てきます。
それら全てを解決するのがメジャースケールを響きから覚える方法です。順を追って解説していくので、じっくりと取り組んでみてください。
メジャースケールの響き
スケールを覚えるときに大切なことは、そのスケールの持つ響きを耳から覚えることです。まずはメジャースケールの響きを耳で感じとってみてください。
Cメジャースケール
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スケールは響きから覚えることがなによりも大切です。メジャースケールの響きを覚えられるまで何度も聴いてみてください。
メジャースケールの構成
響きを覚えたらそのスケールの成り立ちを理解しておきましょう。
メジャースケールは全音+全音+半音からなるテトラコルドが2つ組み合わさって出来たものです(詳しくはダイアトニックスケールの成り立ちと捉え方へ)。
CメジャースケールはCテトラコルドとGテトラコルドの組み合わせ
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現在はルートを基準に度数で考えるのが一般的です。
Cメジャースケール度数表記
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スケール音を覚えるときは、それぞれの音ではなく、コードトーン+テンションと覚えます。Cメジャースケール場合は、C-E-G-BのコードトーンにD-F-Aのテンションが加わっていると覚えます。
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コードトーン+テンションで覚えることで、そのスケールが使えるコードと関連させやすくなります。
各メジャーコード上での響き
メジャースケールはメジャーコードで使うことができます。ここでは先ほどと同じフレーズを使って、各メジャーコード上でどんな響きになるか聴いてみましょう。
Cコード上での響き
C6コード上での響き
Cadd9コード上での響き
C6(9)コード上での響き
CMa9コード上での響き
CMa9(13)コード上での響き
コードに対する響きを覚えることはイヤートレーニングにもなります。
各ポジションとコードを関連させる
指板上のスケールの配置を覚えるときは、いくつかのポジションに分け、それぞれのポジションごとに覚えていくのが効率的です。
またその際に目印となるコードフォーム、コードトーンも関連させて覚えておきましょう。
Cメジャースケールを例にそれぞれのポジションを紹介します。実際に弾きながら確認してみてください。
ポジション1 スケール、コードトーン、コードフォーム
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ポジション2 スケール、コードトーン、コードフォーム
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ポジション3 スケール、コードトーン、コードフォーム
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ポジション4 スケール、コードトーン、コードフォーム
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ポジション5 スケール、コードトーン、コードフォーム
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各ポジションとコードトーン、コードフォームを関連させることで、重要な音を意識しながら覚えることができます。
ここではCMa7を例にしましたが、Cトライアド、C6、CMa9など、さまざまなコードとも関連させてみてください。
ランダムに弾く
指板上のスケール配置が見えてきたら実践です。まずはランダムに弾いて確実に覚えているか確認しましょう。
ポジション3をランダムに弾く
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譜例では8分音符を使って弾いていますが、4分からはじめてもかまいません。ランダムに弾く練習は新鮮なフレーズアイデアを見つけるためにも効果的です。
リズムに変化をつける
ランダムに弾くのに慣れてきたらリズムを変えてみましょう。3連符や16分音符、休符などを混ぜて自由に弾いてみてください。ここでは16分音符中心の例を紹介します。
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ジャズのアドリブの真髄はリズムに音を当てはめることです。まずはカッコいいと思えるリズムをいくつか覚え、そこに音を当てはめてみてください。
モチーフを発展させる
最後はモチーフを発展させる練習です。これがアドリブの基礎になります。ここではシンプルな5音モチーフを発展させてみましょう。コードに対して何度の音を弾いているかも意識しながら弾いてみてください。
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モチーフは少ない音数の方が発展させやすいので、5音以内がおすすめです。
ここまでできるようになれば、スケールの響きとネック上の音の配置がしっかり見えているはずです。それぞれのポジションを覚えたらネック全体を使って同じように練習してみてください。
全メジャースケールのポジションPDF
ギターネック上を5つのポジションに分けた、全メジャースケールをPDFにしました。練習のお供にご活用ください。
響きから覚えるスケール練習が教則本になりました
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