ネルソン・ヴェラスのクリニック動画パート2ではメシアンモードNo.3、No.6、No.4が学べます。
メシアンモードはフランスの作曲家オリヴィエ・メシアンが体系付けたスケールで、日本では移調の限られた旋法として知られています。
メシアンモードNo.3
動画はBメシアンモードNo.3(ネルソンはM3・エムスリーと呼んでいます)から始まります。
5度と増4度音程がスケール内で共存しているのが特徴です。
以下ネルソンがさっらと弾いているフレーズですが、どれも独特なサウンドです。
ネルソンはM3を、B-C#-Dの音型を長3度上げて出来るスケールと捉えています。【0:42〜】
アルペジオも長3度上げて弾くことができます。
あるフレーズを弾いたら、それを長3度ずらして(上下させて)演奏することができます。
BM7から長3度上げてD#M7さらに長3度上げてGM7と弾いています。
M3にはホールトーンスケールも含まれます。
マイナーコードもあります。
【検証】メシアンモードNo.3(M3)から作れるコード
ネルソンがコードアルペジオを弾いていたので、Bメシアンモード No.3からどんなコードが作れるか検証してみました。
BからはじめるM3
1音おきに音を積んでできる4和音
1音おきに音を積んでできる4和音ドロップ2ヴォイシング
1音+2音+1音おきに音を積んでできる4和音
1音+2音+1音おきに音を積んでできる4和音ドロップ2ヴォイシング
1音+2音+1音おきに積み上げるとネルソンが想定しているBm7が出てきます。
2音+1音+2音おきに音を積んでできる4和音
2音+1音+2音おきに音を積んでできる4和音ドロップ2ヴォイシング
2音+1音+2音おきに積み上げるとネルソンが想定しているBM7が出てきます。
今回の検証では規則正しい音の積み方を試しましたが、M3の中から自由に音を選んでコードを作り、
それを長3度上げていくという手法もおすすめです。
メシアンモードNo.6(M6)
ネルソンが動画で「よく使う」として紹介したのがM6です。【02:39〜】
C-D-E-Fと同じ音型を増4度でつなげたスケールと捉えています。
何か音型を弾いたら、それと同じ音型を増4度上げて弾くことができます。
Bmを想定した演奏例です。【03:16~】
【考察】メシアンモードNo.6(M6)から作れるコード
ネルソンは特に語っていませんが、M6から出来るコードを調べてみました。
C メシアンモード No.6
1音おきに音を積んでできる4和音
1音おきに音を積んでできる4和音ドロップ2ヴォイシング
メシアンモードNo.6は、C7(b5)のコードトーンとDdimのコードトーンが組み合わさったものと解釈することもできます。
そのため、ジャズピアニストのバリー・ハリスはこのスケールをドミナントセブンスb5ディミニッシュスケールと呼んでいます。
1音+2音+1音おきに音を積んでできる4和音
1音+2音+1音おきに音を積んでできる4和音ドロップ2ヴォイシング
動画の中でネルソンはCメシアンモードNo.6をBから始めて、Bmを想定して演奏しています。
メシアンモードNo.4(M4)
C メシアンモード No.4(動画ではM6と言っていますが、ここでは一般に知られているM4として紹介します)
C-C#-D-Fと同じ音型を増4度上げて加えたものと捉えています。【04:18~】
C メシアンモード No.4の構成音はC-C#-D-F、F#-G-Ab-Bです。
C メシアンモード No.4はDbM7やBmを想定して演奏することができます。
メシアンモードはどこを基準にするかで、さまざまなコードに対応させることができます。【05:27~】
【考察】メシアンモードNo.4(M4)から作れるコード
CからはじめるM4
1音おきに音を積んでできる4和音
ドミナント7(b5)コードのみになるのが特徴です。
1音おきに音を積んでできる4和音ドロップ2ヴォイシング
1音+2音+1音おきに音を積んでできる4和音
1音+2音+1音おきに音を積んでできる4和音ドロップ2ヴォイシング
ネルソンが動画の中で紹介しているDbM7やGMa7、Bmが出てきます。
メシアンモードは独特な響きのするスケールなので、従来のスケールに飽きてきたときや、新しい音楽を作り出したいときに活用してみてください。
ネルソン・ヴェラスのアルバム
自身の名義でこれまで3枚のアルバムを発売していましたが、CDは入手困難。唯一「Nelson Veras」だけがデジタルミュージックになっていましたが、2020年全アルバムがBandCampで購入できるようになりました。ぜひチェックしてみてください。
https://nelsonveras.bandcamp.com/music
アルバム「Nelson Veras」は全編ベースレスでかなりマニアックな音楽ですが、4曲目のHow Deep Is the Oceanではドラムデュオでの超絶な掛け合い、15曲目のAna Mariaでは美しいソロギターが聞けます。
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