The Science Of Rhythm Guitarのチャプター7ではレコーディングの際に効果を発揮する空間(スペース)を意識したバッキングアイデアが学べます。
Paul Jackson Jrがどのようにして、職人技とも言える美しいリズムギターを生み出しているのか、その方法を垣間見ることがでる貴重な動画です。
この考え方を覚えれば、ポール・ジャクソン・ジュニアになれる!?
ぜひ動画で確認しながら楽譜を追ってみてください。
Am7コード上で空間を意識したバッキング
動画はレコーディングでよくある風景からはじまります。
「レコーディングでこんな経験したことあるかい?」と言って流れる音楽と共にプロデューサーが「ギターがうるさすぎる!ギターパートを消しちゃおう。」というシーン。
ポールジャクソンジュニアもこんな経験を多くしたそうです。そう、空間を意識することを学ぶまでは!!
空間を生かすのに重要なのが次の2つ。
・何を演奏するか
・いつ演奏するか
「チャプター5で使ったトラックをもう一度聴いてみよう。」(0:42〜)
「たとえばこのトラックで回りの音を気にせず、ただただギターを弾くとこんな感じになる。」
空間を気にせずに弾いたバッキング(1:05〜)
「もちろん弾いているときは楽しいけど、問題なのはCDになったらギターパートは消されているってこと。なぜならほかのパートのことを全く気にしないで弾いているからだね。」
「空間を意識するということは、他の楽器やボーカリストを聴いて、何をしているかをしっかりと理解することなんだ。」
「例えばプロデューサーが”ベースラインが気に入っているからベースラインを邪魔しないようにギターを入れてほしい”と言ったとしよう。それをふまえてベースラインを意識して聴いてみよう。」(2:12〜)
「ベースのフレーズで空間のある場所が分かるかい?2小節目の終わりと4小節目の終わりだ。」
「ブロデューサーの要望に応えるよう、ベースラインをしっかりと聴こえるようにするためには、ベースラインがいない(空間のあいている)ときにギターパートを目立たせるんだ。」
空間を意識して弾いたバッキング(0:22〜)
「この演奏だとベースを邪魔しないのでプロデューサーはハッピー。そしてギターパートが消されることもないので、あなたもハッピーなはずだ。」
コード進行上で空間を意識したバッキング
「同じコンセプトを別の楽曲で試してみよう。例えばこんな感じだとどうだろう?」(4:04〜)
「トラックを聴いてどう感じたかな?」
「まずはじめにピアノが結構動いているよね。ドラムも音数があって、ベースも常に弾いている感じだ。つまり、ギターが入る余地が少ないことが分かる。」
「このトラックへのアプローチは、ケーキ作りに似ている。スポンジやクリームはすでに出来ていて、最後にちょっとだけデコレーションを加えてあげる、そんなイメージでアプローチするんだ。」
「空間のある場所を探して弾くとどんな感じになるかやってみよう。」
空間を意識して弾くコード進行でのバッキング(5:01〜)
「1〜3小節目ピアノがかなり動いているので、ギターはそこまで目立たせず、4小節目のピアノが少し休んでいるときにギターを主張させている。」
「他のパートをよく聴いて、空間がぶつからないようにすることを意識して演奏してみてほしい。」
ボーカリストが居る場合
「空間を意識することはどんな時でも大切だけど、とくにメイン奏者やボーカリストのバックでバッキングするときはより重要だ。」
「例えばボーカリストがこんな感じで高域を歌ったとしよう。」
ボーカルパートの音域(0:22〜)
「バッキングのギターを同じような音域でプレイする。」
ギターのバッキングをかぶせた例(0:22〜)
「こうすると、プロデューサーが”ギターがボーカルを邪魔してる!!”そしてギタートラックを消されるはずだ。」
「空間を意識することには音数やリズムだけでなく、音域にも注意することが含まれて居る。」
「もしボーカリストが高い音域を歌っていたらギターは低い音域を。逆に低い音域を歌っていたら高い音域を弾くことが大切だ。」
「常にお互いがお互いの空間を邪魔しないようにしよう。」
ギタリストとのデュオでの演奏例
最後にRay Parker, Jr.(レイ・パーカー・ジュニア)とのデュオで空間をどう活用するかのデモ演奏が見れます。(2:00〜)
2人が演奏しているのはレイ・パーカー・ジュニアとChaka Khan(チャカ・カーン)の共作「You Got the Love」
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