ここではマイルス・デイヴィスのアルバム「Round About Midnight」の5曲目に収録されているバージョンのリードシートを紹介します。
音源を聴きながらリードシートを追ってみてください。
Tadd’s Delightリードシート
Tadd’s Delightリードシートの作り方
リードシートは曲のサイズ、メロディ、コードネーム(ベースとピアノのコピー)の順番に作っていきます。まずは曲を聴いて全体像を軽くスケッチしておきましょう。
- テーマ A-B-A-C 各8小節=32小節
- ソロセクション A-B-A-C
- 後テーマ A-B-A-C エンディング
メロディをコピーする
メロディは前テーマ、後テーマ両方をコピーすることで正確性が増します。
前テーマ
後テーマ
トランペットとテナーサックスがオクターブ違いでユニゾンしているのが特徴です。
前テーマでは3箇所ユニゾンしていない箇所が出てきます。
楽譜として正確に書く場合は2声に分けますが、ここではキャプションを使って、上声がトランペット、下声がテナーサックスと表記しています。
ベースラインをコピーする
ベースがコードのルートを弾かないことも想定して、コピーしたベースラインからおおよそのコードネームを仮で書いておきます。
前テーマベースライン
後テーマベースライン
ピアノのコンピングをコピーする
ピアノのヴォイシングはギターでは弾きづらいことも多いので、完コピではなく弾けるようにアレンジしていきます。
コードネームは、コピーしておいたベースラインと照らし合わせながら書いておきましょう。
前テーマピアノコンピング
後テーマピアノコンピング
Tadd’s Delightで特徴的なのは、ピアノが「A」セクションでしかコンピングしていないことです。
この場合は、メロディとベースラインから推測して他のセクションのコードネームを付けていくことになります。
ベースとピアノを合わせてコードネームを付ける
Aセクションはベースラインとピアノのヴォイシングを合わせたコードネームをメロディの上に書きます。
それ以外のセクションはメロディとベースラインからコードネームを導きます。
ジャズスタンダードの多くはメロディとソロセクションのコード進行が同じなので、コード付けが分からないときはソロセクションのコード進行を参考にするのもおすすめです。
アルバム『ROUND ABOUT MIDNIGHT』
アルバムタイトルのROUND ABOUT MIDNIGHTやAll Of Youなど、マイルス流のスタンダード解釈が学べます。
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