アドリブ

Waveのコード進行分析とアドリブ例

WaveはA-A-B-Aフォーム54小節のボサノヴァ曲。II-Vが多く出てくるのでII-V-Iリックの練習におすすめです。

ここではリアルブックに載っているコード進行の分析とアドリブ例、2小節目のディミニッシュコードでビバップスケールを使った練習法を紹介します。

Waveコード進行

Waveコード進行楽譜

コード進行分析の目的は各コードの機能を理解し、使えるスケールを見つけ出すことです。

分析していく順番はいくつかありますが、jazzguitarstyle.comでは以下4つの順番で紹介していきます。

  1. 曲のキーを調べる
  2. 各コードの機能を調べる
  3. 使えるスケールを見つけ出す
  4. アドリブで実際に使ってみる

Waveのキー

キーは調号と終わりのコードを見ることで判断することができます。

Waveのキー楽譜

Waveの調号はシャープが2つ付いているので、キーはDメジャーかBマイナーになります。

曲の最後を見るとDMaj7のV7=A7で終わっているので、Dメジャーキーが最適です。

Wave最後の4小節楽譜

コード進行の分析がしやすいように、Dメジャースケールから作られるコードをローマ数字(度数)で覚えておきましょう。

Dメジャースケールから作られるコード

Dメジャーケールから作られるコード楽譜

II-V-Iを調べる

II-V-Iの場所を調べておくと分析に役立ちます。II-Vには下受け皿、V-Iには矢印を使います。

Waveコード進行251箇所楽譜

コード進行分析

Waveコード進行分析楽譜

コード進行をローマ数字表記にすることで使えるスケールをすぐにみつけ出すことができます。

各コードで使えるスケール

Wave各コードで使えるスケール楽譜

スケールの選択肢は1つではないですが、まずは基本となるスケールの響きを覚えておくことが大切です。

度数別の使えるスケールは「コード進行から使えるスケールを見つけ出す3つの方法」のページで紹介しています。

Bbdim7で使えるもう一つのスケール

dim7で使えるディミニッシュスケールは、スケール自体の個性が強すぎてアドリブの流れを止めてしまうことがあります。

そこでおすすめなのがメジャービバップスケールを使う方法です。メジャービバップスケールはメジャースケールにb6の音を加えたスケールです。

Dメジャービバップスケール

Dメジャービバップスケール楽譜

Dメジャービバップスケールから作られるコード

Dメジャービバップスケールから作られるコード楽譜

6つ目にBbdim7が出てくるので、2小節目のBvdim7でDメジャービバップスケールを使うことができます。

Bbdim7でDメジャービバップスケールをBbから弾いた例

Bbdim7でDメジャービバップスケールを使った例1ルートから弾く楽譜

Bbdim7でDメジャービバップスケールを滑らかに繋げた例

Bbdim7でDメジャービバップスケールを使った例1ルートから弾く楽譜

Bbdim7でDメジャービバップスケールをモチーフを使って弾いた例

Bbdim7でDメジャービバップスケールを使った例1ルートから弾く楽譜

dim7ではディミニッシュスケールだけでなく、メジャービバップスケールも取り入れることで表現の幅が広がります。

Waveのコード進行を使ったアドリブ例

コード進行分析から選んだスケールを中心に演奏したアドリブ例を楽譜にしたので参考にしてみてください。

Waveのコード進行を使ったアドリブ例楽譜ページ1
Waveのコード進行を使ったアドリブ例楽譜ページ2
Waveのコード進行を使ったアドリブ例楽譜ページ3
Waveのコード進行を使ったアドリブ例楽譜ページ4
Waveのコード進行を使ったアドリブ例楽譜ページ5
Waveのコード進行を使ったアドリブ例楽譜ページ6
Waveのコード進行を使ったアドリブ例楽譜ページ7

おすすめの音源

WaveをCDで取り上げているギタリストは少ないですが、その中でも入手しやすいものを紹介します。

アントニオ・カルロス・ジョビン

『Wave』
発売日:1967年
Antônio Carlos Jobim – piano, guitar, harpsichord, vocals
Urbie Green – trombone
Jimmy Cleveland – trombone
Raymond Beckenstein – flute, piccolo
Romeo Penque – flute, piccolo
Jerome Richardson – flute, piccolo
Joseph Singer – French horn
Ron Carter – double bass
Dom Um Romão – drums
Bobby Rosengarden – drums
Claudio Slon – drums

ジョー・パス

『The Big 3』

発売日:1975年
Joe Pass – guitar
Milt Jackson – vibes
Ray Brown – bass
『Tudo Bem』
発売日:1978年
Joe Pass – guitar
Paulinho da Costa – percussion
Octavio Bailly, Jr. – bass
Oscar Castro-Neves – guitar
Don Grusin – keyboards
Claudio Slon – drums

ビレリ・ラグレーン、シルヴァン・リュック

『Summertime』

発売日:2009年
Bireli Lagrene – guitar
Sylvain Luc – guitar

この記事へのコメント

  1. 笹山 より:

    いつも拝見しております、ありがとうございます。
    これだけの情報を(今までの分も含め)、一人で発信されているのですか?
    jazzとは関係ない質問で申し訳ありません

    • jazzguitarstyle.com より:

      コメントありがとうございます。
      はい。2001年から一人でコツコツと作っています。

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