Wes Montgomeryのアルバム「The Wes Montgomery Trio」から2曲目に収録されているYesterdays(ジェローム・カーン作曲)をタブ譜付きギタースコアにしました。
Yesterdaysは16小節1コーラスの曲。ウェスのバージョンはテーマ2コーラス-アドリブ3コーラス-テーマ2コーラス-エンディングという構成です。
- 単音弾きでのテーマの歌わせ方
- オクターブ奏法を使ったアドリブ
が学べます。
音源を聴きながら楽譜を追ってみてください。
前テーマ
アドリブ
2コーラス目
3コーラス目
後テーマ
エンディング
Yesterdaysコード進行分析
コード進行を分析するときはII-Vに受け皿、V-Iに矢印を書いて、どんな流れになっているのかを視覚的に理解します。点線矢印は裏コードからのV-Iです。
フラットが1つ付いているので曲のキーはFメジャーかDマイナー。始まりのコードがDmで終わりのコードがA7(Dmに対するV7)になっているのでキーDマイナーと判断できます。
使えるスケール
キーがDマイナーなのでDマイナースケールが最初の選択肢です。
1〜6小節目のDm-Eb7が続くコード進行はDm一発のコード進行と解釈することも可能。その場合Dmで使えるスケールはかなり多いです。
- Dマイナースケール
- Dドリアンスケール
- Dフリジアンスケール
- Dメロディックマイナースケール
- Dハーモニックマイナースケール
各スケールを弾いたサウンド
Eb7はEbリディアンb7スケールが使えます。
Bm7(b5)はBロクリアンスケール。
8小節目のE7からはV-Iが続きます。全てドミナントに解決しているので、コンディミやミクソリディアンスケールが基本になります。雰囲気を変えるためあえてオルタードスケールを使うことも可能です。
Em7(b5)はEロクリアンスケール。
Dmに解決するA7ではAオルタードスケール、Aミクソリディアンb9,b13スケールが使えます。
アルバム「The Wes Montgomery Trio」
Round Midnight、The End of a Love Affair、Satin Dollなどギタリストが好きなスタンダードが収録されています。
- Round Midnight (Thelonious Monk, Cootie Williams)
- Yesterdays (Otto Harbach, Jerome Kern)
- The End of a Love Affair (Edward Redding)
- Whisper Not (Benny Golson)
- Ecaroh (Horace Silver)
- Satin Doll [Alternate take] (Duke Ellington, Johnny Mercer, Billy Strayhorn)
- Satin Doll (Ellington, Mercer, Strayhorn)
- Missile Blues [Alternate take] (Wes Montgomery)
- Missile Blues (Montgomery)
- Too Late Now (Burton Lane, Alan Jay Lerner)
- Jingles” (Montgomery)
この記事へのコメント
こんにちは。いつもこちらのサイトを拝読させていただいております。
最近コピーをしたものの中に、フレーズが何のスケールを想定しているのか分からないものが幾つかありました。その為そのフレーズを応用することができず、その曲のそのコード上でしか使うことができません。
名取さんのフレーズアナライズの方法を各コードに対して弾かれているこのフレーズはこういう理由でこのスケールが使われている、と言ったようなものがあれば参考にさせて頂きたいと思うのですがこちらのサイトでそのようなものを扱っていただくことは出来ないでしょうか?
てんさん、サイト参考にして頂けて光栄です。
フレーズの詳細解説のご提案ありがとうございます。
各ギタースコアのページに追記していこうと思います。
実装までに少々時間がかかりますので、どうしても知りたいフレーズがあれば以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。
アナライズして返信させていただきます。
https://www.jazzguitarstyle.com/contact
こんにちは、初歩的な質問かもしれませんがお願いします。コード進行の分析なのですが、最初のDm一発と解釈できるとあったのですが、その時は、その曲のキーとはもう関係なくなってしまっていると考えていいのでしょうか?ドリアンやフリジアンなどだとキーはCやB♭になるということでしょうか?
はい、曲のキーとは関係なくなります。ドリアンならキーC、フリジアンならキーBbになります。
私の場合はキーではなくDマイナー(エオリアン)スケールと比べて、何の音が変化しているのかを覚えています。
Dマイナースケール
Dドリアンスケール
DマイナースケールのBbがBになる。
Dフリジアンスケール
DマイナースケールのEがEbになる。
それぞれ1音ずつしか変わらないので、DマイナースケールのフレージングにB音やEb音も使えると考えるのもおすすめです。