コラム

フレーズの各音に度数を記入するのは効果がありますか?

質問内容

トランスクライブ中心の練習を行ってきましたが、どうしても場当たり的な習得の印象を拭えませんでした。

ブルースロックについては指板上のポジションを把握しているマイナーペンタを使って自分なりの演奏ができます。

ジャズでもそんな感覚で演奏できることを目指しています。

そこで音符に度数を記入してコツコツとスケールやコンセプトを頭と手にインプットしていく練習を始めました。

聴くだけマスター・ジャズ・ギター・スケールを、度数記入とスケール把握の参考にさせていただいてます。

度数を記入するとフレーズの根拠がわかるためスケールやコンセプトの理解も深まる気がします。

それで自在に応用できるようになることを期待してのことです。

ただ、この練習は自己流でエネルギーと時間がかかるため、適切かどうか、迂遠なものでないかどうか不安があります。

この練習につきいかがお考えでしょうか?

度数の記入はイヤートレニングになります

度数を記入すると、各コードに対しての度数の響きを覚えることができるので、とても良い練習法だと思います。

聴くだけマスター・ジャズ・ギター・スケールのCMa7のリック
CMa7リックを度数で表記したタブ譜つき楽譜

度数を視覚的に確認することで、1小節目はCM7のコードトーンを使ったリック、3小節目はCM7のコードトーンに9thを加えたリック、と理論的に覚えることもできます。

度数を記入することはイヤートレーニングになり、理論的な分析にも役立つので安心して続けてみてください。

演奏に活かすためにはターゲットノートを意識します

リックの各音を度数で考えることになれてきたら、ターゲットノートとアプローチノートに分けるのがおすすめです。

ターゲットノートは伝えたい音、アプローチノートはそれを装飾する音です。

言葉に例えると、自分の伝えたいことがターゲットノート、それを伝わりやすくするための工夫がアプローチノートになります。

先ほどのリックのターゲットノートをみてみましょう。

CMa7リックのターゲットノート
CMa7リックのターゲットノートタブ譜つき楽譜

1小節目は7度のオクターブ。3小節目は5度と7度になっています。

これら2つがこのリックの伝えたい音です。

今度はアプローチノートを見てみましょう。

CMa7リックのアプローチノート

CMa7リックの分析タブ譜つき楽譜

1小節目はCトライアド、3小節目はスケールの下降(メジャースケール 、またはメジャーペンタトニックスケール)を使っているのがわかります。

3拍目ウラにある5度の音はタグノート(TAG)と呼ばれ、ターゲットノートにちょい足しできる音のことです。主にコードトーンが使われます。

リックをターゲットノートとアプローチノートに分けることで、自分なりのアレンジが簡単にできるようになります。

アプローチノートに変化をつけてリックをアレンジしてみましょう。

1小節目のCMa7リックをアレンジした例

CMa7リック1のアレンジタブ譜つき楽譜

1〜2小節目はCトライアドの音順をアレンジ、3〜4小節目はFトライアドにアレンジした例です。

3小節目のCMa7リックをアレンジした例

CMa7リック2のアレンジタブ譜つき楽譜

1小節目は11thから下降、2小節目は6thから下降、3小節目は6rhからメジャーペンタトニックスケールで下降、4小節目はメジャースケール の上昇にアレンジした例です。

リックのアレンジができるようになると、自分でもリックが作れるようになります。そしてその先に自分なりの演奏が待っています。

度数の記入に慣れてきたら、ターゲットノートとアプローチノートを使った分析もぜひ試してみてください。

フレーズの分析と作り方が本になりました

フレーズをターゲットノートとアプローチノートに分けて分析し、ジャズフレーズが作れるようになる本が完成しました。

楽器店で見つけたらぜひチェックしてみてください。

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