ナチュラルマイナースケールを「メジャースケールの6番めからはじまるスケール」と覚えていませんか?
もちろん音を覚える方法としては合っているのですが、アドリブに活かせる覚え方ではありません。せっかく覚えるならアドリブに活かせる覚え方をするのが効率的です。
スケールを覚える上で大切なことは次の2つ
- ナチュラルマイナースケールはどんな響きなのか
- どんなコード上で使うことができるのか
そのためにおすすめする覚え方が次の3つです。
- スケールの響きを覚える
- 指板上の配置を覚える
- アドリブしながら覚える
順を追って見ていきましょう。
ナチュラルマイナースケールの響き
スケールは必ず響きから覚えます。まずはCナチュラルマイナースケールを聴いてみてください。
Cナチュラルマイナースケール
ナチュラルマイナースケールの雰囲気を耳がしっかり覚えるまで聴いてみてください。
ナチュラルマイナースケールの構成
ナチュラルマイナースケールの響きを覚えたら、次はその仕組みです。ナチュラルマイナースケールは全音+半音+全音のテトラコルドと半音+全音+全音のテトラコルドが組み合わさって出来たものです(詳しくはダイアトニックスケールの成り立ちと捉え方へ)。
Cテトラコルド(全音+半音+全音)
Gテトラコルド(半音+全音+全音)
Cナチュラルマイナースケール
現在ではルートを基準に度数で考えるのが一般的です。
Cナチュラルマイナースケール度数表記
スケール音を覚えるときは各音(C-D-Eb-F-G-Ab-Bb)ではなく、コードトーン+テンションとして覚えます。
Cナチュラルマイナースケール場合は、C-Eb-G-Bbのコードトーン+D-F-Abのテンションです。
コードトーン+テンションとしてスケールを覚えることで、そのスケールが使えるコードと関連させやすくなります。
各マイナーコード上での響き
CナチュラルマイナースケールのコードトーンC-Eb-G-BbはCm7コード。つまりナチュラルマイナースケールはマイナーコードで使うことができます。
ここでは次の譜例を使って、各マイナーコード上でどんな響きになるか聞いてみましょう。
Cmコード上での響き
Cmadd9コード上での響き
Cm9コード上での響き
Cm11コード上での響き
コードに対する響きを覚えることはイヤートレーニングにもなります。
各ポジションとコードを関連させる
指板上のスケールの配置は、5つのポジションに分けて覚えるのが効率的です(詳しくはギターの指板を5つのポジションに分ける方法と連結させる方法へ)。
またその際に目印となるコードフォーム、コードトーンも関連させて覚えます。
各ポジションのナチュラルマイナースケールを弾いて確認してみてください。
ポジション1 スケール、コードトーン、コードフォーム
ポジション2 スケール、コードトーン、コードフォーム
ポジション3 スケール、コードトーン、コードフォーム
ポジション4 スケール、コードトーン、コードフォーム
ポジション5 スケール、コードトーン、コードフォーム
スケールをコードトーン、コードフォームを関連させることで、各音の響きをしっかり覚えることができます。
ここではCm7を例にしましたが、Cmトライアド、Cm9、Cm11など、さまざまなコードとも関連させてみてください。
ランダムに弾く
指板の配置が見えてきたら、より確実に覚えていくためランダムに弾いていきます。
ポジション3をランダムに弾く
8分音符を使っていますが4分音符でもかまいません。ランダムに弾く練習は新鮮なフレーズアイデアを見つけるためにも効果的です。
リズムに変化をつける
ランダムに弾くのに慣れてきたらリズムを変えてみましょう。3連符や16分音符、休符などを混ぜて自由に弾いてみてください。ここでは16分音符中心の例を紹介します。
ジャズのアドリブはリズムに音を当てはめます。まずはカッコいいと思えるリズムをいくつか覚え、そこに音を当てはめてみてください。
モチーフを発展させる
最後はモチーフを発展させる練習です。これがアドリブの基礎になります。ここではシンプルな4音モチーフを発展させてみましょう。コードに対して何度の音を弾いているかも意識しながら弾いてみてください。
モチーフは少ない音数の方が発展させやすいので、5音以内がおすすめです。
ここまでできるようになれば、スケールの響きとネック上の音の配置がしっかり見えているはずです。それぞれのポジションを覚えたらネック全体を使って同じように練習してみてください。
ナチュラルマイナースケールのポジションPDF
指板上を5つのポジションに分けた、全キーのナチュラルマイナー(エオリアン)スケールをPDFにしました。練習のお供にご活用ください。
響きから覚えるスケール練習が教則本になりました
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